かがみよかがみでは、「汗と青春」をテーマにエッセイを募集しました。たくさんのご応募の中から、編集部が一番心に響いたエッセイを「かがみすと賞」として選ばせていただきました。

今回は、かがみすと賞1本、編集部選として2本のエッセイをご紹介いたします。

◆かがみすと賞

「何か、賭けてみる」。線香花火に託した願いに、彼も乗り気に見えた(竹口和香)

あらすじ:同じゼミで親しくなったタクト。大学近くの公園で、二人で花火をすることになった。線香花火を見つめながら「何か賭けよっか」という彼。何かを期待していた私。

◆担当編集者からのコメント

恋に発展するかどうかわからない微妙な気持ちが、夏の夜の景色と共に思い浮かびました。

少なくなった缶ビールを一気に飲みほして、首に汗が伝ったのがわかった。
「最後」
「うん」
線香花火の光に照らされるタクトを見た。スッと伸びる鼻筋に少し吊り目がちの目が、オレンジに照らされていた。

緊張と、ときめきと。汗や花火の火薬の匂いや心臓の音まで聞こえてきそうです。切ない結末ではありますが、そこも含めての青春らしいエッセイでした。

◆次点①

青春を思い出す熱気の夜。初めてダンスパーティに参加した高校時代(Winnie)

あらすじ:高校最後の夏休み。マイケル・ジャクソンのファンが集まるダンスパーティに初めて参加した。一人で振り付けを練習して臨んだ当日。ステージで踊る人たちの姿に、最初は怖じ気付いたけど…。

◆担当編集者からのコメント

少し背伸びをしたい、高校時代の初々しい気持ちが伝わります。

あの中に入って踊るなんて、自分には絶対無理だ……そう思っていた次の瞬間、私の大好きな曲が流れ始めた。すると、私はステージに吸い込まれるように走り出し、他の参加者に混ざって踊った。

踊らずにはいられない気持ちが伝わります。思い切り楽しむってことを私もまたやってみたい!

◆次点②

かごの中で繰り広げられる虫たちの弱肉強食の世界が見せた、生と死夏目わか

あらすじ:ずっと大好きだったカマキリ。小学4年のときの自由研究で、カマキリ2匹を飼った。餌を捕らえる様子、神秘的な脱皮。ある日、大きい方の「大ちゃん」が虫かごの中でで横たわっていた。

◆担当編集者からのコメント

まず、題材の意外さが目を引きました。

大ちゃんを助けたい気もしたが、これが昆虫界の世界なんだと受け入れた。
バッタはどんどん大ちゃんのお腹を食べていった。大ちゃんの動きがだんだん弱々しくなり、抵抗しなくなり、やがて動かなくなっていった。大ちゃんは死んだ。

目の前で繰り広げられている、小さな、でも大きな生と死のドラマを息をのんで見つめていたんですね。一つ大人になるという意味で、確かに青春の一ページです。

以上、「汗と青春」のかがみすと賞、編集部選の発表でした!たくさんの素敵なご投稿を、本当にありがとうございました。
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