「今年の夏は」かがみすと賞&編集部選 発表!

かがみよかがみでは、「今年の夏は」をテーマにエッセイを募集しました。たくさんのご応募の中から、編集部が一番心に響いたエッセイを「かがみすと賞」として選ばせていただきました。
今回は、かがみすと賞1本、編集部選として2本のエッセイをご紹介いたします。
あらすじ:夏生まれで、一番好きな季節も夏。誇らしげにそう話していたけれど、いまはそう言えなくなってしまった。というのも、一緒に住んでいた彼氏と別れ、久しぶりに迎える一人の夏だから。
◆担当編集者からのコメント
ぎっしり詰まった夏の思い出。でも恋の終わりとともに、その景色も少し変わっていくのですね。
それなのになぜか悲しいというよりは、少し切ないなという程度なのです。
5年ぶりに一人の夏を迎えて、気づけば少し大人になっていて、花火に頼らずに夏を感じられるようになっていたのです。洗濯物がすぐに乾くなあとか、ナスやとうもろこしが美味しいなあとか、夏の夜の匂いがするなあとか、そんなことです。そんなことすぎて忘れてしまっていたのです。
少しだけ切ない恋の記憶と、逆に見えなくなっていたなんでもない景色や日常のこと。小さいことをいとおしむ視線が優しく、印象的なエッセイでした。
あらすじ:花火の音がしてベランダに出た。コロナ禍で予告なく実施されたゲリラ花火。隣のベランダから顔を出した初対面の少女に声をかけて、二人で「菓子パ」することに。
◆担当編集者からのコメント
とても魅力的な隣の少女との出会い。人生の少し先輩として語ること。ドラマの一シーンのようです。
「これから素敵になるんだよ」と呟きながら、私はビールを喉に流し入れる。夜を歩く猫のような、美しい瞳がまっすぐに私を突き刺す。「あなたは高校生だもん。今からいくらでも素敵な人生にできるよ」。あえてピントのずれた回答をした。透明な若い感性に干渉するには、私は大人になりすぎている。
二人の友情がこれからどんな風に育っていくのか、すごく気になりました。
あらすじ:コロナ禍で迎える二度目の夏。旅好きの私はもう限界だった。何もかも変える、そんな思いで東京から地方へ移住した。そこで私の人生は大きく変わった。
◆担当編集者からのコメント
閉塞感の続く毎日。思い切って環境を変えることが、きっと必要なことだったんでしょうね。
今年の夏。
それは、コロナも夏の暑さも忘れるくらい、暮らしそのものが旅のようで、まさに私が求めていた世界。
何もないけど、それが心地よいのだ。
行動力がとてもまぶしく、私も何か変えたいと思わせるエッセイでした。
以上、「今年の夏は」のかがみすと賞、編集部選の発表でした!たくさんの素敵なご投稿を、本当にありがとうございました。
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