「阿波おどりよりも日常が見たい」かがみすとが徳島市長に提言。エッセイとの共通点も
「かがみよかがみ」を運営するサムライト株式会社と徳島市が包括連携協定を締結し、そのキックオフミーティングが、11月18日に東京・朝日新聞社でありました。11人のかがみすと(エッセイ投稿者)が集まり、「東京視点の移住サポートを考える!地方移住を渋る本音を語ろう」をテーマにグループワークを実施。Z世代である彼女たちの、地方移住への本音を聞きました。
「かがみよかがみ」を運営するサムライト株式会社と徳島市が包括連携協定を締結し、そのキックオフミーティングが、11月18日に東京・朝日新聞社でありました。11人のかがみすと(エッセイ投稿者)が集まり、「東京視点の移住サポートを考える!地方移住を渋る本音を語ろう」をテーマにグループワークを実施。Z世代である彼女たちの、地方移住への本音を聞きました。
かがみすと(エッセイ投稿者)を招いた、久しぶりのオフラインイベント。地方移住に関心のある方はもちろん、かがみすと同士の交流を楽しみに参加される方も多く集まりました。かがみよかがみの伊藤あかり編集長と、サムライトの奥山晶二郎CCO(最高コンテンツ責任者)も参加し、かがみすとの声に耳を傾けました。
今回は、10月に徳島市とサムライトが、お互いに協力しあうための包括連携協定締結を受けたキックオフミーティング。若い世代の声を知りたい徳島市に、若い世代の声が集まるかがみよかがみが政策提言を行うことを目的としています。
伊藤編集長は「地方移住に興味がある都会の若い世代と、移住してほしい自治体。両者のニーズは合致しているのに、すれ違っている状況」と語ります。
奥山CCOは、かがみすとの「言語化力」に注目。「普段からエッセイを書く、言語化する力のあるみなさんから率直な意見をもらえれば」と話し、イベントがスタートしました。
参加者には事前に「宿題」として「徳島市移住ポータルサイト」に目を通してもらうようにお願いしました。サイトを見て感じた疑問や課題点、感想を付箋に書いてもらい、グループ内でアイデアを共有しあいました。
ポータルサイトについては「移住相談用のzoomや公式LINEが準備されていて安心」というポジティブな意見から、「誰に対してのサイトなのかが分かりづらい」「きれいな部分しか写っていない気がする」などの声もあがりました。
TikTok社が発表した「Z世代白書(2020.6)」によると、「失敗などのネガティブな面がある動画・投稿は信頼できる」と回答したユーザーは25歳以上の世代では27.4%でしたが、Z世代は49.0%と約半数にも上ったことが分かっています。
若年層をターゲットにするのであれば、ポジティブな面ばかりでなく、住民のリアルな声や、不便な点も掲載することが、地域への親しみを持つきっかけになるのかもしれません。
「移住した方だけでなく、地元の方の声も聞きたい」という意見もあがりました。
「『地方移住』と聞くと、地域に馴染めるか、ご近所付き合いがうまくできるか、といった不安を感じやすい。地元の方がどのように移住者を受け入れ、関係を築いているのかが分かると、安心できます」
徳島市出身のかがみすとは、Jリーグのサッカーチーム「徳島ヴォルティス」に着目。関東で行われたヴォルティスの試合を友人と観に行ったところ、「今度は徳島でホーム戦も観に行きたい!」とハマってくれたそうです。
「柿谷曜一朗選手もいるし、一度足を運ぶきっかけになると思う」
徳島の一大イベント「阿波おどり」については「すごく盛り上がるけど、全国から人が集まり、あまりに非日常すぎるかもしれない。日々の生活に馴染んだ娯楽の方が、その街の本当の姿を知れると思う」「祇園祭りを見て、よし京都に住もう!ってならないように、あくまで1日のイベント。祭りを見たければその日に観光に行けばいいしね」と話しました。
その後、「アウェイ戦の観戦チケットを持っていれば、徳島市でのホーム戦のチケットが割引になる施策はどう?」など、具体的な提案も挙がりました。
また、鳥取県に住んだ経験のあるかがみすとも、移住の前段階として、地域との繋がりが必要だと話し、「鳥取県で週1副社長」という施策を例に挙げます。これは都市部のビジネス人材が「副社長」となり、副業・兼業という形で、主にリモートで週1回程度、地域の企業に対してアドバイスを行う取り組み。
最初の入口は移住でなくても、地域との繋がりを作っていくことで、移住が選択肢に上がるのではないかと話しました。
最後に、徳島市市長に向け、今回のグループワークで出た案をビデオレターで伝えました。
<A班>
・ターゲットの明確化
・遊びに行くきっかけづくり<B班>
・移住者のターゲットを絞る
・受入れ側の声にも耳を傾ける
・段階を踏んだ「ちょうどえ~」の関わり方
両班共通して上がった「ターゲットを絞る」という点。これについて奥山CCOは「エッセイを書いているかがみすとだからこその意見」と話します。
「どういう人に届けたいかが明確なほど、その記事は相手に届くようになる。『全員を対象にした文章は、実は誰に対しても出してない』とも言えます。それは今回のこうしたwebコンテンツにも、エッセイにも、共通して大事なポイントだと改めて感じました」
また、観光スポットやイベント情報だけでなく、日常の声が知りたいという声が多く上がったことについても、エッセイとの共通点があると言います。
「何か大きなことを語る必要がない時代なのだと思いました。エッセイでも、特別な出来事だけでなく、身の回りの些細な変化や、日常を言語化していく。そしてそれが読み手にとっても、面白さや自分ごと化に繋がっていく。エッセイを書く際にも大事な要素だし、移住を呼び込むためのコンテンツ作りでも、意識したいポイントですね」
両班のビデオレターは、徳島市の内藤佐和子市長に送り、フィードバックをいただき、市政に反映させられるかを考えます。
市長からのフィードバックの様子は12月6日19時から開催されるオンラインイベント「かがみ編集部公開ミーティング」内でお伝えします。また、12月18日にも、徳島のZ世代を集め、移住をテーマに徳島市長とお話する会を開催予定です。
かがみよかがみは「私は変わらない、社会を変える」をコンセプトにしたエッセイ投稿メディアです。
「私」が持つ違和感を持ち寄り、社会を変えるムーブメントをつくっていくことが目標です。
恋愛やキャリアなど個人的な経験と、Metooやジェンダーなどの社会的関心が混ざり合ったエッセイやコラム、インタビューを配信しています。