文章を書くことは、自由で楽しい!です。
特にエッセイは、レポートや論文とは違い、自分の思ったことをのびのびと書けるのが素敵です。
編集部としても、いつもみなさんの型にはまらない文章を楽しく読ませていただいています!

でもでも、もっとこういうことを意識したら読みやすくなるんじゃないかなあ、伝わりやすくなるんじゃないかな、と感じることもあります。
今回は、「かがみよかがみ」のエッセイで使っている文章の表記を紹介するとともに、「こうするとさらに魅力的になる!」というコツを提案します。

1.わたし?ワタシ?私?「私」? 表記の統一を。

1人称で、「自分」のことを指す言葉は、たくさんあります。私、わたし、ワタシ、あたし、あたい、自分、僕、俺、おいら。探そうと思えばたくさん見つかります。もちろん、自分のことを指し示す言葉は何を使っても大丈夫、問題ない、です。
でも、一つの文章の中で、わたし、ワタシ、私、と、表記が複数でてくると、読んでいる方は混乱しちゃいませんか。あれ、なんか意味あるのかな?どうして違うの?なんかモヤモヤするなあ。いいや、読むのやめよ。てなってしまうかもしれません。それって、とってももったいないと思うんです。

一方で、表記をかき分けることが、効果的だな~と感じることもあります。参考にしてほしいエッセイをひとつ、紹介します。

時々、この世界では、男の人、で、大人の人、じゃないと「人」ではなくなる。「女の子なんだから」と言われる度に、私は途端に「私」ではなくなって、「女の子」になった。嫌で嫌でしょうがなかった。

かわいくなりたくなかった私は、あの赤いミニスカートが忘れられないーゆうきこと

どうでしょうか。人によってどう感じるかは違うと思いますが、人と「人」、私と「私」、違うな、と感じてもらえるでしょうか。

このサイトの簡単な表記ルールを紹介します。メディアに寄って基準が違うこともありますが、一つの文章の中でルールを統一すると、読みやすくなると思います。

■表記ルールの例

・「」や『』
「」は会話文を示したり、強調したりしたいとき。『』は「」の中でさらに強調する場合や本の題名を表すときなどに使います。
例:私は思わず「あの時『頑張れ』って言ってくれたじゃないですか」と叫んだ。
他にも《》や【】や〝〟がありますが、「」と『』だけで十分じゃないかな、と思います。

・数字の表記
1月1日、一月一日。基本的には洋数字(1、2、3など)を推奨しています。ただし、一つ・二つなどは漢数字です。

・カッコの最後には読点をつけない

あの子は言った。「あなたなんか嫌い。」と。
→あの子は言った。「あなたなんか嫌い」と。
このように、「読む。書く。」ではなく「読む。書く」と表記しています。

2.「あなた」の文章だからこそ、伝わる。等身大の言葉を。

地面からジャンプしたと思ったら、ひゅーっと大気圏を突破して、成層圏に。そんな目線になっていませんか。また、想いがあふれると、いきなり断定して決めつけるような文体になってしまうこともあります。
エッセイのよさは、あなた自身の目線で、言葉が紡ぎ出されていること。自分の実感から、自然に出てきた言葉だからこそ、読者も「わかる!」「なるほど」と共感しやすくなるのだと思います。
エッセイの中で突然、「世の中の風潮は」、とか、「いまの社会は」、と出てきたら、どうでしょうか。急に何を言い出すんだ? なんかちょっとえらそう……。と感じたりしませんか。

世の中や社会のことを語るのはNG、と言いたいのではありません。むしろ、逆です。
どんどん書いて欲しい!考えて欲しい!語って欲しい!と思っています。そのために、このサイトはあると思っています。
自分自身の具体的な経験や身近なエピソードで支えられているからこそ、大きいことをいっているようでも、説得力を持つ。編集部ではそう考えています。
みなさんの参考になるかな、と感じたエッセイを紹介します。

わたしはもう、怒らないのをやめる。自分が何を嫌だと思い、なぜ嫌だと思うのか。それをきちんと考え、分析し、言語化し、あなたに伝え、あなたの怒りにもきちんと耳を傾けたい。地雷のたくさん転がる世の中で、自分が、あなたが、少しでも傷つかずに生きていけるように。そして、理不尽で生きづらい社会の中で、わたしとあなたが自分を肯定して生きていけるように。

空気を読んでノリに合わせていた私の「これからは怒ります」宣言ー沙波

3.その言葉、どういう意味? 伝わる言葉かどうか、振り返ってみて

もしかしたらあなたが何げなくつかってるその言葉はあなたの所属するコミュニティだけに通じる言葉かもしれません。
多くの人に伝わりやすく、わかりやすい言葉を意識すると、色んな読者層にとって、するすると読みやすく、わかりやすい文章になるかも、と思います。

3B(バンドマン、バーテンダー、美容師)やグルディス(グループディスカッション)、メンヘラ。
検索すればすぐにわかるのですが、エッセイは意外とたくさんの人が読んでいるもの。ちょっと世代や地域が違うだけで「なにそれ??どういう意味??」となる可能性もあります。
「メンヘラ」という言葉でも、人によって、どんなニュアンスで使っているのか、少しずつ違っていることもあります。
自分はどんな意味で使っているのか、それを掘り下げるだけで面白いかもしれません。
でも、わかりやすく伝わりやすい言葉を、と意識しすぎると、どこかで聞いたようなありきたりの表現になったり、言葉の解説ばかりの読みにくい文章になったりします。つまらないことを言いますが、バランスがだいじです!!笑

専門的かな~、という言葉でも、長すぎないほどよい説明でするする読めるな、と感じたエッセイを紹介します。

Autonomy(自己決定権)という何者にも侵害されず、自分の人生に関する選択をする権利=自分自身の自治を認める権利を表す言葉がある。この言葉もフェミニズムの範囲に被ってくること(女の子なんだから〜という社会的な女性、女子のイメージは自己決定権を侵害する)に気づいた時、私はようやくフェミニズムを理解し、肯定できた。

フェミニズムは過激?女子大に通う私が出した答えーみのり

繰り返しになりますが、文章を書くことは、自由で楽しいです。
でも、せっかくなので、できるだけたくさんの人、多くの人に伝わって、受け止めてもらえればいいな、て思います。伝わりやすい文章を書こうとするときの、一つの参考になればうれしいです。

現在は、コンプレックスにくわえ、「#捨てたい就活体験記」のテーマでもエッセイを募集しています!【詳しくはこちら】
就活にまつわるモヤモヤを言葉にしてみませんか?
ご投稿お待ちしております!
◆12月1日(日)締め切り