昔は「美人のお母さんに似てないじゃん」「本当に娘かよ」って言われるたびに傷ついていました。それで、美容を頑張ってやるんだけど、全然変化がなくて……。いつまでこれで悩まなきゃいけないのかなって思っていました。

でも、AV出演と(住居侵入・恐喝未遂容疑での)2度の逮捕があって変わりました。なぜ、よくわからないことが一人歩きして、あることないこと書かれちゃうんだろう、まあいいやって。

「お前なんか生きてる価値ねぇんだよ」っていうひどいコメントがツイッターについたので、ブロックしたことがあるんですよ。そしたら、今度は新しいアカウントを作って、またコメントされました。「俺のストレス発散場所がなくなったじゃねぇかよ」って。しょうもねぇな、私ってサンドバックなんだなって思いました。それからは、コメントがきても、相手にしてると思われると嫌なので無視。むしろ「私のこと注目してくれてるんだな」「アンチさんありがとうね」って思えるようになりました。

その批判は本当に聞く価値のあるもの?

私の容姿についてバッシングしてきた人も、しょうもない人だと思うんですよ。その人たちのために、私が悩む必要もないなって思いました。今は「お母さんに似てないね」って言われてても、何も思わないです。無です。

悩んでいる子たちも、批判してくる人がどんな人なのか知ったら「しょうもねえな」って思えるんじゃないかな。相手の考えを変えることはできないので、本当にその批判が聞く価値のあるものなのかを考えてもらえれば、「無視する」が正解な気がします。

今はやるべきことがすごくたくさんあるので悩む暇もないですね。キャバクラで働いているのですが、ほぼ毎日アフターもしています。YouTubeも撮らなきゃいけないし。きょうもこの取材が終わったら出勤しますし。

坂口杏里さん

応援してくれる人たちに恩返しをしたい

「杏里ちゃんをナンバーワンにしたい」と応援してくれる方もいらっしゃるので、そういう方たちに恩返しをしたいです。

前の事務所をやめてニートをしているときは、お酒を飲んで、ホスト遊びをして……、精神が不安定だったのですが、今は自分の居場所がある。今は私を大事に思ってくれる、お客さんや事務所の方を裏切りたくないので、自分の身を削ってでも頑張りたいなって思っています。そういう意味では、180度…いや2周…720度くらい変わりました。

本を出した理由のひとつでもあるんですが、夜の世界のイメージをよくしたいんです。

坂口杏里さん

AV女優も私が選んだ道。夜の世界の方が居心地が良い

キャバクラで働いたことも、私が変われた理由のひとつですね。ちゃんと人間関係を結べている気がします。私は白黒はっきりしている性格なので、嫌な事をされると「もう来なくて良いよ」と相手からのラインをブロックしちゃう。それでもお店に電話をして「杏里ちゃんに謝りたい。もう1回会いたいからまた行きます」って連絡して来てくれる人もいます。

今でもAV女優になったことを「母親に謝れ」と言ってくる人がいるんですが、「私が選んだことなのに何で?」って思います。お金が必要だったし、AV業界の人にはとても親切にしてもらった。後悔もしていません。

キャバクラで働きはじめて私は人と向き合う時間が増えました。何百人、何千人の方たちと一対一で話すことができる。それって、夜の世界ならではなのかなって思うんです。夜の世界の方が私は居心地が良いんです。最近は地方から女の子が会いに来てくれます。夜の世界で働く子たちの憧れの存在になれたらいいなというのが私の目標です。

坂口杏里さんプロフィール

1991年東京都生まれ。母は女優の故・坂口良子。2008年に芸能界デビュー。二世タレントとして注目され、バラエティータレント、女優として活躍。2014年、映画『ハニー・フラッパーズ』で主演を務める。芸能活動を一時休止した後、2016年にANRI名義でAVデビュー。2017年にタレント活動の引退を宣言するが、現在は再起をかけYou Tuberとして活躍中。