まさか自分が…と思う間もなく、
激動の最前線に送り込まれた。
同じような立場にたつ医療関係者は少なくないと思う。
それでもみんな逃げることなく最前線で戦っている。
逃げだしたいと思わないわけではない。でも共に戦う仲間がいるから
医療崩壊目前だ、人工呼吸器増産だ、検査数が少なく中々検査してもらえない…と話が外で盛り上がっているが、中とは大分温度差があるように感じる。
中の人は、冷静といよりはもう半ばこの厳しい状況を受け止めるしかないと覚悟している。
『私たちの仕事は、この未曽有のウイルスが来る前も来た後も変わらない。医療を必要としている人に医療を提供することである』と。
勿論逃げ出したいと思わないわけではない。
「いつ終わるんだろう...」と途方にくれる日もある。ただ、怒っても、悲しんでも、私たちを待っている人がいる。「今日も、出来ることをやろう」と、半ば折れかけの使命感を必死に奮い立たせているのだ。
数少ない防護具を大切に使い、時に再利用して、、、感染の恐怖におびえながらも、それでも今日も最前線にむかっている。
そんな折れかけの心をなんとか繋ぎとめているのは、まぎれもなく一緒に戦う仲間の存在である。同じ病院で働く医師や看護師、技師、薬剤師、放射線技師、臨床工学技士、あげればきりがないほどの沢山の人が、病院全体が『one team』となってウイルスと戦っている。
チームには、『限られた資源で限られた活動範囲だけど、でも出来ることはある』と変わらぬ熱い気持ちで引っ張ってくれる人がいる。そして、働く人の安全や健康を守るもの大事!と考え、安全を守ってくれる人もいる。幸せな環境だと、恵まれた環境だと以前から思っていたけど、今回のことを通してなお実感している。
いつになったら終わりがくるのだ!と時々叫びながら、愚痴や不満を漏らしながら、それでもこの最強のone team の戦いはまだまだ続くのだ。
家族や友人、彼…。仲間とは別の、支えてくれる人がいるからこそ
そして頑張れる理由のひとつは仲間とは別の支えてくれる人の存在だと実感している。
チームの中には家族と一緒に暮らし、感染を持って帰るのでは?という不安な気持ちの人も
誰にも会えず、病院と自宅の往復で独りぼっちで不安になっている人もいる。
自分が媒介者にならないために、家族とも友達とも彼氏とも会えない生活である。
そんな生活にストレスや寂しさ、不安を感じることもある。
しかし、大事な人を守るために一番できることが『会わないこと』である今、自粛は必要早急のことなのだ。
自粛生活の中では、友人からの『大丈夫?無理しないでね』『元気?』という何気ないメッセージで心が救われる。画面越しでみんなの顔をみて笑って話す時間が、唯一ウイルスを忘れられる大事な時間である。
そして、ある日覚えのない宅配便が届いた。『病院のみんなで食べて』と、離れてくらす両親からであった。そう若くもない両親の健康を願いつつ、一口たべたチョコレートはとてもとても甘かった。
彼にもずいぶん長いこと会えていない。寂しい・会いたいなんて言葉にしたらとめどなく溢れてしまうから、気丈にふるまっている。彼はそんなあまのじゃくで寂しがり屋なところを見透かして、それでも気づかないふりをしてくれる。『無理はしないで、気を付けて』とだけ言って待っていてくれる。そんな彼にも本当に感謝している。
会えない・寂しいなんてマイナスなことだけではない。
当たり前のように人にあい、過ごしていたことがとても幸せなことであったと気づき、大好きな人と連絡を取れることすらも幸せなことであると思うことが出来るようになった。
まだまだ厳しい状況は続く。
しかし、某テレビ番組の言葉を借りると「終わりは必ずくる」のである。
それまでは自分にできることを日々こなしていこうと思う。
一緒に戦う仲間がいて、支えてくれる大切な人たちがいるのだから。
感謝と大好きの気持ちを両手いっぱいに抱えて
エッセイを書き始めたらなんだか周りのへのラブレターになってしまった
でもそのぐらい今は、周りの人への感謝の気持ちでいっぱいなのだ
次会うときは
ちょっとへとへとかもしれないけど戦いきった少しかっこいい私になって会いたい
だからもう少し頑張ろうと思う
互いに鼓舞しあった仲間と勝利の抱擁をかわし
気にかけてくれた友人や家族に感謝の気持ちを伝え
支えてくれる彼に『ありがとう』と『大好き』を伝えて、思いっきり抱きしめる
それが今のわたしのやりたいことだ
そんな大好きな人たちに次に会う日がそう遠くないことを願って、、、