フェミニストという言葉が、正しい意味で使われるようになってほしい
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【今回の質問 】
フェミニズムって危険な思想なんでしょ?と言われたら、何て言い返せば良いでしょうか。
最初は誰でも、新しい思想を受け入れる・今までの常識をこわしていくのは怖いことだと思います。なので、フェミニズムをよく知らない人が「怖い思想なんでしょ?」と思ってしまうのは、ある意味、仕方がないことなのかなって思います。
私の憧れのフェミニストは平塚らいてう
私がフェミニズムと出会ったのは大学生の時です。永井愛さんの「見よ、飛行機の高く飛べるを」のなかで、日本初のフェミニスト雑誌の青鞜を読み、フェミニズムにであう女学生の役を演じました。男尊女卑をベースとした学校の決まりを変えて行く、という役どころだったのですが、私自身、役を通して出会う、当時でいう”新しい思想”にワクワクしたんですよね。なので、卒業公演で平塚らいてうが出てくる物語をやると決まった時は、絶対に彼女の役をやりたい!と思いました。平塚らいてうといえば、先程も出てきた青鞜を創刊した日本のフェミニズムの歴史の始まりにいる人で、女性参政権に寄与した人、私の中でヒーローのようなイメージがありました。彼女を演じることができたことは私のキャリアの中では思い出に残る出来事でした。
フェミニストへの憧れはあったけど、日本にいたときは、フェミニストを名乗れませんでした。何をしたら名乗って良いのかもわからなかった、自分はまだ知識や経験が浅いと思っていました。
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私にとってのフェミニストは性差別にNOという人のこと
ですが、米国にきてから「私はフェミニスト」と名乗る人とたくさん出会って、私のなかでフェミニストを名乗るハードルがぐっと下がったんですよね。私にとってのフェミニストとは、性別というレッテルで不利益が生じない社会を目指すひと。性差別にNOということ。そんな簡単なことなんだ!ハードル低いな!と思いました。
フェミニストは誰かに認められてなるものじゃない、自分で決めていいのかなって思っています。私も米国に来てからは言うようになりましたね。「私はフェミニストなので、そういうの許せないんです」とか。
新しい考えを言う人って迫害や軽蔑されてしまうけど、「性差別されたくない」って思うことは恥ずかしいことじゃないよね。むしろ、普通だよねって。そういう考えがマジョリティーになればいいなって思うので、私はオープンフェミニストになることにしました。素敵な人がフェミニストだったら支持しやすくなるかなって。フェミニストを増やすうえで、私が素敵な人でいることが大事なのかなって思っています。私みたいに顔出しでメディアに出ている人が、少しずつ宣言していくことで広げていけるんではないか、と思っています。
悪いのは男性じゃなくて、歴史やしきたり
「フェミニズム」っていう名前が、「男性から女性の権利を奪う」みたいなニュアンスがあるから変えた方が良いという声もありますけど、 私はこのままでいいんじゃないかなって思います。そもそも、悪いのは男性じゃなくて、歴史やしきたりのせい。それはその1人の男性のことを責めてるのではないのです。 男性が権力を持っている社会がすごく長く続いて、女性が不利益を受けてきた。それで女性が、男性と同じだけの権力を手に入れるために、多少優先されることも必要なのかなと思います。それは逆差別とは言わない。対等になるためには、ある程度の社会からのサポートも必要だと思います。
繰り返しますが、性別による不利益をなくしたいというのが、フェミニストなので、「男性だから強くなければならない」「男性だからお金を稼ぐべき」といったような”しきたり”から男性も解放して、全ての性別の人がハッピーになる社会をめざしています。
今回の相談「危険な思想でしょ?」と言われたらどうするか。それはじっくり話す相手だと思ったら、今みたいな話をしてほしい。センシティブな問題なので時間もかかると思います。
いつか、フェミニストっていう言葉が正しい意味で使われるようになってほしいな。
世の中を変えようとして、すんなりと変えられた人はいない
私はよくアンチと戦っていますが、それは、アンチに言い聞かすというよりは、どちらでもない人に届けたいなという思いでやっています。反対している人を変えることは難しい。だけど、そのやりとりを見ている他の人の意識がかわればいいなと思います。
「危険な思想だと思われる」「フェミニストって宣言するのはやめよう」と思う気持ちもわかります。だけど、世の中を変えようとして、すんなりと変えられた人はいないですよね。最初は誰でも嫌われていた。極端ですけど、今では常識の地動説を唱えたガリレオ・ガリレイでさえも始めは信じてもらえなかった。その先を信じて、自分たちがマジョリティーになるまで、「おかしい」って言われても戦い続けるしかないんですよね。だって、それが私の実現したい社会ですから。
今の私たちは反逆者ですからね(笑)。でもたぶん世界を変えている私たちはかっこいい。いつか歴史の教科書にものるかもしれない。
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この記事を書いた人
藤井美穂
女優・コメディアン・プラスサイズモデル
5年前ハリウッド女優になる為、英語もしゃべれぬまま、アメリカへ。ロサンゼルスでの過酷なサバイバルを経て、今では英語で漫談、演技をバリバリと。女優人生爆走中! プラスサイズモデルでもあり、コンプレックスを武器にインスタフォロワー7万人! 自由な女性の生き方を広める活動をしています。 Body Positive
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