今年に入ってから、レジ袋が有料になった。
たかが数円、されど数円。

人間とは不思議なもので、得をすることに対してよりも「損をしたくない」という気持ちの方が強い。だから、その数円に対してシビアにNOを突きつける人がグッと増えたのだと思う。

レジ袋の有料化に対して、賛否両論の意見が飛び交う中で、わたしはこの議題に関しては中立の立場を貫いていた。いや、格好つけるのをやめて言えば、正直どちらでも良かった。ゴミも適度に分別はするし、なにかにつけて「もったいない」と感じる気持ちが無いわけではないのだが、環境問題に対しての自分の関心の強さは決して褒められるようなものではなかった。

ちきゅうおんだんか、という言葉は今もピンとこないけれど

小学校の社会の授業で、先生が言ったこと。

ーー1人1人の日常生活での意識が、地球温暖化が進むのを防ぐのです。

ちきゅうおんだんか、と脳内で反芻された言葉は、やっぱりあの日からずっと、いまいちピンとこない。それでも、わたしが小さかった頃の夏はこんなに暑かったかなと思うことはある。今年の夏はとくに、今流行の“エモい”なんて言葉では片付けられないような殺人的な暑さだった。これが環境問題の影響なのだとしたら、きっと私が考えているよりも、本当に事態は深刻だと思う。多くの人間の当事者意識の欠落は、環境にとって致命傷になる問題で。

そうやって改めてまじまじと振り返ると、自分はあと長く生きて80年でも、大事な人との子ども、そしてそのさらに先に続く命に対しても、なるべく美しい夏を残してあげたいなと思う。

エコバッグ持つのってダサくないんだ

そんな私は最近とあるバッグを買った。

Twitterで見かけて一目惚れして、私の指はそのままゾゾタウンの画面の、購入する、のボタンに運ばれていた。そして購入画面の説明文を読んで初めて、そのバッグがエコバッグであることを知った。

えっ、こんな可愛いバッグがエコバッグなんだ。

シースルー素材に、淡めのグレーで統一されたデザインは、私のイメージするエコバッグからはかけ離れていた。エコバッグのイメージって、なんかシャカシャカしてて、お母さんが持つやつだったから。

でもさらに驚くことに、私はその数日後、20代の女性をターゲットにしたとある有名ファッション誌でエコバッグ特集なるものを目にすることになる。

記事を見て、エコバッグ持つのってダサくないんだ、もう生活の一部として、私たちの当たり前にも馴染み始めてるんだ、とハッとさせられた。

あのとき買ったのは、バック本体よりもっと価値のあるものだったかも

私のエコバッグはまだ自宅に届いていないけれど、ゾゾタウンで買ったのは、バック本体よりもっと価値のあるものだったのかも。

エコとか環境との距離感ってなかなかわかりづらいけど、可愛いエコバッグと一緒に送る生活は、前より少しだけ胸を張って、あの時の先生に自慢できる気がする。