「環境問題」「地球温暖化」「エコロジー」という言葉を覚えたのは、小学校3、4年の頃だ。「ゴミを分別しよう」「水道の流しっぱなし、電気のつけっぱなしは止めよう」「エアコンの設定温度、夏は28度、冬は20度を目安に」等、どんな行いが地球に対して良いことで優しいことか。理科や総合の授業、社会科見学、夏休みの自由研究で小学生なりに調べて考え学んだ。

自分が大人になったとき、おばあちゃんになったとき、人間が住めないような地球環境になったら嫌だ。そんな思いから地道な行動の1つ1つの積み重ねが地球を守ることに繋がるんだと信じ込み、ちまちまと実践していった。

小学生の自分が嫌だなと思ってた未来に近づいている気がした

あれから10年以上経った現在。相変わらず環境問題は好転せず、むしろ地球温暖化は進んでいる。

特に異常気象は毎年何かしら起こる。
自分の平熱より気温が高くなる猛暑、年々勢力を増して甚大な被害をもたらす大型台風、水害など自然の脅威にはどうにも抗えない。家の中でエアコンをつけて引き籠るので精いっぱい。どれも自分を含む人間が産業や文明の発展の中で排出してきた温室効果ガスが蓄積した付けが回った結果だが。そうしている間にも地球温暖化を進めているから、自分たちで自身の首を絞めている状態になる。すごく矛盾している。

冒頭の「エアコンの設定温度、夏は28度、冬は20度を目安に」は、「むやみやたらにエアコンを使いすぎず、適切な温度で夏は少し高めに、冬は少し低めにしてね」という意味合いでよく言われていたが、ここ数年は「危険な暑さなのでエアコン使って自分の命を守る行動をとってください」と天気予報で流れる。いつからかそんな怖いフレーズに変わっていて、気づいた時はゾッとした。小学生の自分がこうなったら嫌だなと思ってた未来に近づいている気がした。

考えても出てくる答えは、現状維持か対処療法みたいなものばかり

今、自分ができることは何だ?無駄に電気やエネルギーを使わないように節電を徹底すること?省エネタイプの家電を使うこと?

考えても出てくる答えは現状維持かこれ以上悪くならないようにする為の対処療法みたいなものばかりだ。何だかしっくりこないな。もっと根本的な解決策が無いとただただ嫌な未来に近づくのをじりじりと待つばかりじゃん。

少なくとも自分は微力ながらも力になれるようになりたい

そんなある日。たまたま観たテレビ番組で村木風海さん(Twitter:@Kazumi_Muraki)という方を知った。
20歳という若さながら、二酸化炭素を回収するマシーンを作ったという天才だ。番組を見ながら、こんな若者がまだ日本に居たんだと思った。自分が絶望しか感じていなかった現実にまだ希望を見いだせる余地があったのか。ここ数年もやもやしていたものが少し晴れた。と、同時に自分より若い天才一人だけに地球の今後を背負わせたらいけないなと思った。

地球規模のことだから多くの人が関心を持って協力しないと地球温暖化はちょっとやそっとでは食い止められない。少なくとも自分は微力ながらも力になれるようになりたい。そんな事を考えた、今年の夏だった。