カメラの前で一人で話す、ということをやってみた。
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カメラロールにある一つ一つの区画の中に、私の顔と「2:49」という表記が入った異質なものが加わった。
これを再生するのは、かなり勇気が必要だった。「自分の見たくないところ」を丸ごと自分からプレゼントされるかもしれないのだ。うかつに画面をスクロールできない。
しかし、少し時が経ったタイミングで、何ともないフリをして再生してみた。
意外と見ていられる、というか、見ていても羞恥心を感じていない自分がいた。
そこで次はちゃんとした目的をもって、もっと長い時間話してみることにした。これまたなんだかいい感じだ。しかもだんだん楽しくなってきた。
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才能開花、とまではいかないが、動画を通して「話す自分」を見て気づいたことがたくさんある。
話し方の癖、言葉と感情のリンク、ちょうどいい言葉を探している時の表情、顔の左右対称じゃないところ(これが結構気になる!)、などなど。
その中で一番驚いたのは、話すスピードだ。ゆっくりしてる方だとは自覚していたが、話しと話しの間がとっても長い!間が空きすぎて、ひと区切りつけているのかと思いきや、「あれ、まださっきの話って続いてた?!」なんてことがざらにあった。一応フォローしておくと、自分なりに一生懸命伝え方を模索している時間であるんだけれども……。この話し方に長年付き合ってくれている家族や友人に心から感謝する。
また、顔の歪みを直すために噛む時の偏りを意識したり、感情が伴った言葉になるようにほんの少し大袈裟な抑揚をつけてみたりだとか、改良を重ねているところである。
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ということで、良い副作用が続々と出ているところであるが、そもそもなぜ1人で話すということに挑戦したのか。
それは、上司からかけられた「話すの上手だね、堂々としてた」という一言である。新入社員講習会で短い講義をした後のことだったが、私にとっては思いがけない言葉だった。なぜなら、自分ではうまくできなかったと思っていたから。実際どこまで本気で思ってそう言ってくれたのかもわからないけれど。
何はともあれ、その一言のおかげで自信がついた私は(今思えば単純すぎて可愛い)、こうして話し方をよりよくしていくチャンスを得たのである。
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自分の話し方。
知っているようで知らないことの方が多い。改めて気にすることで、私は気軽にいろんなことに挑戦することができるようになった。
私にとって動画を撮ることは、かなり助走をつけないとできないことだったが、そこには新たな発見がたくさん!ここまで改善点をいくつか挙げたけど、自分の好きなところもいっぱい見つかった。
それに、やってみると意外とあっさりしてることって結構多い。それを知るだけでも人生の味変になって楽しいんじゃないかなと思う。
私の次なる挑戦は、動画編集。間を切りまくって、頭の回転が早い人間だと思わせたい。