【今回のエッセイ】どうしてお給料が低いのかはわからない。本作り以外の業種に転職はしたくない。お金の心配をせずに好きな仕事をしたい、というのは、わがままなのだろうか。

本を作りたい、生活はくるしい 「天職」とお給料の理不尽な関係

中尊寺まいさん(以下まい):お金がないと、下品になっちゃう、劣等感を感じる気持ちわかるなあ。特にこのエピソード……

月収がわたしよりも10万円ほど高いそのひとは、「いいじゃないですか、本に人生捧げるの」と答えた。

ああ、この人はいま、私の切実な不安をロマンティックに矮小化したんだな、と思った。

相手は相手で、ロンモチでリスペクトを込めて言ってくれたんだと思うんですよ。でも、卑屈にとらえちゃったり、クサクサしてしまうんだよね。わかるなあ。

益子寺かおりさん(以下かおり):DA.YO.NE~!でも、投稿者の方は本を作ることが心からDASUKI!で、それに対して愛とプライドを持っている所がとってもステキだと思うわ…♡なにより、自分が本当に好きなモノはコリだ!って、明確に気づけていること自体が素晴らしい。ヤリたいことがわからなくて悩んでいる人も多いなか、「これが好き!」と断言できるって、淫ポータントなことだもの!諦めずにズッポシ貫いて、夢を大事MANにしてもらいたいな~♡

益子寺かおりさん 中尊寺まいさん ベッド・イン
益子寺かおりさん(左)と中尊寺まいさん

かおり「プロレスと震災で気づいた、音楽活動にズッポシ専念したい!」

かおり:私もベッド・インを結成する前はOLをしながらバンド活動をしていて。OLと言えども、リゲイン飲みながら“24時間戦えますか”ってイキフンの、かなりハードな仕事だったので、徹夜続きのままバンドの練習に行く――みたいなことも多々ありました。どちらも全力でガンバルンバしてたんですが、本心ではどこかで、夢である音楽活動に専念したいとZUTTO思っていたんです。

そんななか一番の転機となったのは、約10年前におナマで観戦した新日本プロレスの試合ですね。激闘を繰り広げた試合後に、中邑真輔選手が「未来は俺が作る。生きたいように生きる。なりたい自分になる!」と語っていらして。命をかけて戦っている姿と、その言葉に胸を打たれ、バナナの涙が流れました。「なんてカッコイイ生き様なんだ…このままじゃ自分はダメだ!」と、脱サラして音楽活動に専念しようと決意したんです。あとは東日本大震災も人生を見直すひとつのキッカケでしたね。明日には何が起こるかわからないし、一度限りの人生なんだから、ヤりたいことを思いっきりヤッてやろうと思ったんです。

まい:私も元々はOLだったのですが、バンドができる環境じゃなきゃ意味がないと残業なしの環境を選んで就職しました。これぞ“5時から女”ってな具合に、時間が来たらギターもってライブハウスへ入り浸る日々。そのまま朝まで飲んで出勤なんてこともしばしば…いつも誰かと朝帰りッ!状態で、会社ではあらぬ噂がよく飛び交っていました♡

正直いうと仕事にも会社にも愛情は全くなくって。「自分じゃなくてもいい仕事だな」って思ってしまったことと、バンド仲間に「いいよな、腰掛は」なんて言われたことに腹が立って辞めてしまったんです。

「ベッド・イン」の益子寺かおりさん
益子寺かおりさん

かおり:お互いに会社をやめたタイミングが一緒だったこともあって、時間もあったので、しょっちゅう二人でご飯してて。そんななか「憧れのC.C.ガールズさんみたいな写真集、作っちゃおうよ!」って、ベッド・インの活動をちゃんと始めたのもその頃でしたね。自腹はたいてお金も相当かけて作ったのに、それがまあ、売れない売れない!(笑)。バブル文化がスキスキスーって気持ちだけが先走って、欲しがる声もないのに、勝手に作ったので当然なんですけど…トホホ♡

まい「目の前のことに必死でお金のことを考えられなかった」

まい:この頃はまだお金ありましたね。一番お金がなかったのは、ベッド・インが認知されはじめた頃でしょうか。有り難いことに、少しずつお仕事もいただくようになっていましたが、いつ、どのタイミングでお仕事が入るか分からない。「とりあえず、ここら辺をマルっと空けておいてください」と言われるとバイトのシフトは組めないし、急なお仕事の時には交代してもらわなきゃいけない。OL時代の貯金も底をつき始めてバブルと言いつつ、億ションにはほど遠い性活でしたね…(笑)。

目の前のことに一生懸命だったので、お金のこととか将来のこととか考えられなかったですね。なにより、金銭感覚がOLの時のままなんですよ!

まさにOVER THE TROUBLE!お金がない!癖に…中尊寺まいっちんぐぅ~!って感じでした。

「ベッド・イン」の中尊寺まいさん
中尊寺まいさん

かおり:100%…SO!なんです…。一度あがってしまった生活レベルって、なかなか落とせないんですよね…。二人ともお財布の中がバブル崩壊してた時期でも、外食おランチしてたし、すぐシータクにも乗っちゃうし、疲れたら「マッサージ行きたくない?」「わっかるぅ~~」って、すぐにイッちゃうし…お酒もゴックンしてさ…“おやじギャル”を地でイクっていう(笑)。

まい:おやじギャルっていうか、昭和の芸人かよ!っていうレベルでその日暮らしだったけど、何もかも我慢できなかった(笑)。お金がない時は安い居酒屋行って軟骨からあげに死ぬほど塩ふって、それだけで朝まで飲んだり…そこまでして飲むか!って感じですよね(笑)。カード払えてないのにエステ行ったり、お洋服買ったり、機材も欲しい…水道代を後回しにしていたら水が止まって、その時はさすがにギリギリガールズすぎて自分で笑っちゃいました。なのに、どれもこれも我慢できなかったんです。アン・ルイスさんの名曲にもあるでしょ?「女はそれを我慢できない」って(笑)。

かおり「我慢しないのでポジティブ・チンキングでいられた」

かおり:でも「我慢しない」=「ストレスも溜まらない」ので、そのぶん精神的にはポジティブ・チンキングでいられた気がしますね(笑)。ふたりともこの感覚が同じだから、そういう時期も愉快に活動してこれた。ダイエットとかもそうなんですけど、快楽主義&なんとかなる精神で!(笑)。ネガティブにならずに楽しんでヤッてるほうが、面白がっておマンパワーを貸してくれる人も自然と集まってきてくれますしね…♡

まい「短時間でお金を稼ぎ、好きなことに没頭!という考え方もある」

まい:おっとそろそろ真面目に答えないと……そうだ、副業という手もあると思うんですよ。本に関する何かを別でやってみるとか、あとは効率よくキャバクラで働くってのはどうですかね?(笑)向き不向きはあると思いますが、大好きな本作りに集中できるなら水商売もありでは。CoCoだけの話ですけど、私もキャバクラで働いてたし、バニーガールもやったし、銀座のクラブに体入、他にもヌードモデルの仕事…とかとかバシバシと何でもヤっていましたよ♡…親には決して言えなかったけど、もう時効!(笑)

短時間でお金をいただけるので本当に助かったし、何より、あの頃の経験があるから今があるのだと思っています。何が第一優先で、何の為にやっているのかっていうことが大事MANなことで、要するに、自分さえ見失わなければいいと思うんです。

ある程度のお金があれば、卑屈にならずに余裕ができて好きなことにも集中できる。お金の作り方もバランス良く考えられたら、心の負担も減っていくんじゃないかな?

かおり「仕事以外の経験が、どこかで役に立つかも

かおり:うんうん、本のお仕事以外の経験が芸の肥やしとなって、どこかで役に立つかもしれないしね♡そこで本のお仕事に繋がる、素敵なサムシングや人との出会いがあるかもしれないし…!人生経験で無駄なことなんて、ひとつもないと思う。私も学生時代のアルバイトやOL時代の経験が、今の活動にいかされてることも沢山ある気がします。ロンモチで、さらにこれからも色んな経験をして、進化してイキたいと思っているわ♡

本もそうだし、音楽や演劇、芸術などエンターテイメントやクリエイティブのお仕事って、なかなか食べてイクことが難しいっていうのは永遠の課題ですよね…。でも本当にスキスキスーなことって、辞めようと思っても辞められないと思うし、どんな形であれ、続けることが大事MANだと思う!こういうお仕事がもっとバブリーになる時代が来ることを願って、一緒にガンバルンバしていきまSHOW ME~♡