しんどい気持ちとの向き合い方。パワーをくれるナニかは、偶然の先に現れるのかも♡
photo : Sakawaki Takuya
バブル文化をリスペクトして、セルフプロデュースで活動中の地下セクシーアイドル「ベッド・イン」。バブルのオイニーむんむんの益子寺かおりさん・中尊寺まいさんが、ボディコンに身を包み、歌い上げるのは「コンプレックス武器にして、立ち上がれ」。ステージの上ではイケイケの2人もパジャマに着替えれば悩めるナオン。「かがみよかがみ」に寄せられたエッセイを読みながら、ゆるゆると語り合います。さあ、今夜もパジャマパーティー!寝させないわよ。
【今回のエッセイ】
心が疲れて休職していたとき、死にたいと思って毎日を過ごしていたあのとき、どうせ死ぬならと思って京都に出かけたことがあった。(中略)藤原頼通が死後、苦しみのない世界で過ごせるようにと建てた平等院鳳凰堂。どんな建物なんだろうと、興味を持った自分は、勇気を出して旅に出かけることにした。ーー死にたいと思っていた私は、平等院鳳凰堂の「極楽浄土」で我に返った
益子寺かおり(以下、かおり) :しんどいときの一人旅、私もしたことあるな〜!昔、恋愛がうまくいかず心が疲弊して「そろそろ、お別れしようかしら…」なんて悩んでた時に、1人で箱根の山奥へ。「よ~し、1人で思いっきり贅沢しちゃうぞ~!」って、昼過ぎにのんびりロマンスカーに乗って、美味しいご飯をパックンチョして温泉に浸かって。自然の中で絵を描いたり、超リフレッシュした〜!
しかも、泊まった宿のコンゴ共和国出身のボーイさんに熱烈にモーションかけられて!(笑)「え!一人で旅行しに来たの!?俺、最近離婚したばっかりなんだよ〜、君と出逢えたのは運命だと思う!今度デートしようよ!」ってストレートに口説かれて笑っちゃった!(笑)「な〜んだ、ちょっと旅に出てみただけでも愉快な出会いがあるんだから、あの人だけじゃないな。この先まだまだメンズとの出会いがある予感!」って、気持ちが軽くなったな〜!帰り道は、山の中をお散歩してたら2時間に1本くらいしかない東京行きのバスがちょうど現れて飛び乗れるラッキー・チン事もあったり!ツイてるね、ノッてるね~♪そういう旅での偶然の出来事って、なんだか心救われるよね~♡
まい 「旅よりライブハウス派。馴染みの場所だからこそ、心をリセットできる」
中尊寺まい(以下、まい): いい話だね〜。私は、一人旅したことないかも。旅行はロンモチで嫌いじゃないけど、1人だと面倒臭さが上回っちゃって。だから、しんどくなったときには、だいたいは家でじっとしてます。三角座りで(笑)あとは、飲みに行くか、ライブハウスに行きたくなりますね。
ライブハウスに行くのは、パフォーマンスから元気をもらうから、っていうのもあるけど、若い頃からずっと出入りしていて落ち着くからだと思うんです。昔は毎日毎週行っていたから、自分の育ってきた場所のような感覚があって、初心を思い出せる。私にとっては心をリセットできる場所です。
かおり「何もかもうまくいかないOL時代。美術館に救われてきたな」
かおり: 私の場合、精神的にかなりしんどい時…ギリギリガールズな状態の時は、遠出よりも美術館に行くことが多いかも!OLをしていたガラスの二十代の頃、「何もかもうまくいかない…しんどすぎる」って絶望したとき、特によく一人で行ってたなぁ。美術館って静かな空間だから、自分の中ではお寺に近いような感覚で。作品を見ながら、無意識に自分の悩みとも向き合ってると思うんですよね。情熱やパワー溢れる作品に出会うと、抱えていた悩みが小さく感じられたり、「あ、そうか、自分のこういうところが悪かったな」って気づくことも結構あったりして。
普段は気になる企画展に行くことがほとんどだけど、本当につらいときは「なんでもいいから美術館へ!」って行き当たりばったりで駆け込み寺することが多かったなぁ~。その中でも、たまたま入った「ジョルジュ・ルオー」っていうフランスの油絵画家の美術展には本当に救われた!ルオー氏の作品はナマでは見たことなかったんだけど、とある作品から情念をグワ~~って感じて、やまだかつてないパワーを貰ったのを覚えてる。
まい「修学旅行では得られない気持ち。つらいからこそ気づけた感覚ってあるよね」
まい: 投稿者さんの体験も、とっても面白いよね!平等院鳳凰堂を見て、「藤原頼道も死ぬのが怖かったんだな」って感じたってところ、本当に素敵だと思いました。もし修学旅行で見ていたとしたら、こんな気持ちにはならなかったと思うんですよね。すごくつらい時期だったんだと思うんですけど、だからこそ気づけた感覚というか。
かおり :うんうん、本当にそう思う。私がOL時代に救われたジョルジュ・ルオーの油絵も、闇を表現したような作品だったなぁ。絶望と恐怖が描かれていて、どこまでも暗さが続いていくようだった。「あぁ、この人も物凄い畏怖や葛藤を感じていたんだろうな」と思いながら見ていたら、蓋をしていた感情が一気に溢れてボロボロ泣いてしまいました。誰にでも辛い時はある、ガンバルンバしようって気持ちが軽くなったの。ルオー様、まじでサンクスモニカ!
そんなこんなで、自分の場合は「これに救われるだろうな〜」って思って何かに触れに行くよりも、予想外の出会いにハッとして、Good!なタイミングで助けてもらうことが多い気がする〜!本当にしんどい時って計画的に考えて動けないからこそ、偶然に身を委ねた先に救われるナニかと出会えるかもしれないネ♡
ミニアルバム「ROCK」発射オーライ
踊れる〝ボディコン・ロック〟をコンセプトに掲げてきたベッド・インが、 より激しく、よりセクシーに、ロック要素を色濃く抽出したミニアルバムを完成させた! 作曲家の渡辺和紀氏、渡辺未来氏とふたりが共同制作して作りあげたベッド・イン史上最もハードなナンバー「We Are 〝BED ・IN“ 」や、 おギグでも大切に演奏してきた「SHOW ME POWER」をマンをジして音源化! ベッド・インの新たなるステージを予感させるオリジナル全5曲。
詳しくはこちら
この記事を書いた人
ベッド・イン
地下セクシーアイドルユニット
益子寺かおり、中尊寺まいによる“地下セクシーアイドルユニット”。日本に再びバブルの嵐を起こすべく、80年代末~90年代初頭へのリスペクト精神により完全セルフプロデュースで活動中。2020年3月4日にはミニアルバム「ROCK」をリリース。かおりの逞しいドヤ顔ヴォイスと、まいの下心をつん裂くギタープレイによる「ボディコンロック」に酔いしれろ!
ベッド・インの記事を読む
あなたもエッセイを投稿しませんか
恋愛、就活、見た目、コミュニケーション、家族……。
コンプレックスをテーマにしたエッセイを自由に書いてください。
詳細を見る
この連載について
ベッド・インのパジャマパーティー!
バブル文化をリスペクトして、セルフプロデュースで活動中の地下セクシーアイドル「ベッド・イン」。ステージの上ではイケイケの2人もパジャマに着替えれば悩めるナオン。「かがみよかがみ」に寄せられたエッセイを読みながら、ゆるゆると語り合います。さあ、今夜もパジャマパーティー!寝させないわよ♡
この連載の記事一覧へ