今年24歳になる私は、性別上は女である。親元を離れ関西で1人暮らしをしていて、今年の4月で社会人2年目を迎えた。

恋愛も、長い髪も。青春時代は、女性らしさを禁じられて過ごした

私は片田舎の県で生まれ育った。
小さい頃から武道を習い、髪は短く切り揃えていた(理由は邪魔だし痛いから)。
見た目も、習い事の人口の多さ的にも「男性的」に染まる機会が多かった。

そうなると焦る祖母たちの薦めで日本舞踊やピアノも一緒に習っていた。日本舞踊は祖母の知り合いが先生だという理由だけで習っていたので全然興味がなく、ほんの少しの期間しか習っていなかったが、扇子を片手(というか中指と親指で指パッチンするような所作だった)で綺麗に開く練習だけは意固地になってやっていたことしか覚えていない。できなかったのが悔しかったのだ。

ピアノはいわゆるエリーゼのために、やトルコ行進曲などの有名曲に興味がなく(外国から来たものなのに…)自分で買ったジブリの劇中の曲ばかり弾いていた。だが週に4~6日ある武道の練習がきつく、週に1回しかないピアノの練習には全く身が入らなかった。

ピアノの発表会も、日本舞踊の発表会もめちゃくちゃ嫌いだった。日本舞踊は着物を着るのが苦痛だったし、ピアノはドレスが大嫌いだった。
「女の子」らしい格好があまり好きじゃないのに着なくてはいけないのが嫌だった。

年末、父方の実家に帰ればテレビを見てお酒を飲む男たちに次々と料理を作り、足りなくなったらお酒を買ってこいと女が出かける図を当たり前のように見てて心底嫌だったし、今も嫌だ。
私が大人気ないなと思うのはそこで母たちの手伝いをしないことだ。
最近はあまりに父たちにムカついて、ずっと立って作業してる母が可哀想で運ぶことなどは手伝うようになったが、結果としてその図を許す手伝いをしてる気がして気乗りしない。もちろん買い物へ行けと言われるが渋るとめちゃくちゃ怒られるので、反抗できない。

中学のダサいセーラー服も嫌だったし、色指定の下着と靴下も大嫌いだった。
スカートは今もあまり履かない。

高校では逆に「女」であることを禁止されていた。同じ部活の男子生徒は「部内恋愛」こそは共通で禁止されていたものの、「恋愛」自体は目を瞑られていた。
だが私たち女子は「恋愛」も禁止だった。(性差別では?)
髪の毛も耳にかけられる長さになると「切れ」と強制されていた。1度耐えられなくて部活を1ヶ月ほどサボり、戻らないといけなくなった際、耳にかけていた髪の毛が気に障ったのか、先生に髪の毛を掴まれ引き摺り回されたことがあった。「その日のうちに切ってこい、明日チェックするからな!」と言われ、高校の近所にある閉店していた美容院に駆け込み、泣きながら理由を説明して切って頂いたこともあった。(私がその美容師さんなら通報する…)
女の子らしくなりたいと思っていたわけじゃないが、制服にピンクの色が入ってるのに、モンチッチみたいな髪型をしてるとちぐはぐすぎて嫌だったのだ。かなり可愛らしい制服だったので、鏡や写真を見るのが本当に嫌だった。ボブまでいかなくても普通の髪型にしたかっただけなのに、それすら「女を出すな!」と禁止されて辛かった。髪の長さで女か男か決まるなら世界はすごーく単純でもっと簡単だろう。
今ならそいつに言える、「黙れクソ野郎、髪型で女か否か決まらないし決定権はお前にはない」

結婚することが女性としての幸せだなんて、押し付けないで

高校生までずっと武道を続け、部活に明け暮れていた私は自分がいかに世間一般の「女性」からかけ離れていたのか大学で知ることになった。
例えば電車で足を広げてるのはみっともないだとか、化粧のこととか、すごく言われる時期があった。男から言われることもあったし同性からもあった。

最近では兄がめでたく結婚し、結婚式の会場で色んな人に「次はNemuiちゃんだね!」「彼氏いないの?」「子ども楽しみだね~」「女の子の結婚式なんて親泣いちゃうだろうね」と『呪い』の言葉を聞きまくったせいで数日体調を崩した。

確かに、結婚はめでたい。愛する人が存在してるだけでめでたいのに、晴れて夫婦となりますよ!の場所でお祝いができる。めちゃくちゃめでたい。2人の間に子どもなんか産まれたら、そりゃもうめでたい。

でも私は結婚することが、子どもを産み育てることが「私の幸せ」だとは認識して居ない。
まず「彼氏」ができるとも限らないし、現時点では「彼氏」が必要ではないしなんなら「彼女」の方がいい。しかも「彼女」の場合だと私は結婚できないので幸せじゃないのかな?と捻くれた考えをしてしまう。子どもは可愛いし吸い付いちゃうくらい愛おしいが「育てたいか」の観点になると無理だ。私自身がこんななのに1人の人間を産み育てるなんて能力と余裕は持ち合わせてない。

誰かに強制されて「女らしく生きる」のではなく、私は私らしく生きる

ずっと何が「女性」らしくて何が「男性」らしいの?としか思えなかった。
女性はしなやかで、優しくて、いい匂いで、つるつるすべすべで、身嗜みに気を使っていて、家事が一通りできて、話を聞いてくれて、癒してくれて、文句言わなくて……

は??????
女性というのは召使か?都合のいいセックスロボットか?
それが私の感想。そんな勝手な幻想抱かれてる上にそれが女性らしさ!と強制されるくらいなら私は女を捨ててやる!と中性で居続けようと決意した大学時代。

女性であることの辛さ、男性であることの辛さ、先人の(主に)男たちが作り上げた勝手な「○○らしさ」の決めつけのせいで○○に当てはまらないと気付いたり、息苦しいと感じる人が増えた今、撤廃してほしいと常々思う。時代に合わせて変えていこう。無理なら置いていくだけなので、強要しないでね。

私は性別的には女だけど自分では男性寄りだと思ってるし、なんなら性別の概念がないふわふわした自認なので、これからも世間から言われる求められる「女」らしさはそこらへんに捨てて、私らしく生きていきます!
呪いの再生産はやめよう!生きづらいだけ!