私は子どもが苦手です。話は通じないし、予測不能な動きをするし。赤ちゃんであればいつ泣かれてしまうかヒヤヒヤするし、ある程度大きい子であっても何を考えているか分からないし。どう接したらいいのか、戸惑ってしまうのです。
だけど、子ども好きなフリをしていました。子どもを見て「わ~可愛い~!」と言える女性のほうが女性らしいし、「良いお母さんになれそう、いつか自分の奥さんにしたい」と思ってもらえそうだからです。
女性は子どもが好き。そうであれと求められているような気がしてしまって、子ども好きな女性に擬態している自分がいました。
結婚したい!点数稼ぎのための「子ども好きアピール」
これまでお付き合いしてきた人たちとは、「いつかこの人と結婚したい!」という気持ちで全力で向き合ってきたつもりです。だから相手にも「いつかこの子と結婚したい」と思ってもらいたかった。そんなすがるような想いで、私はずっと子ども好きを演じてきました。
結婚したら子どもが欲しいと考える男性が多いから、「この子は俺の結婚相手候補だ」と思ってもらうために、「いつか家族になったら私はいいお母さんになるよ」というアピールをしなければと必死でした。
ただでさえ私は料理が大嫌いで、その時点で嫁候補としては致命的でした。さらには、ずっと実家暮らしで家事もろくにしたことがありませんでした。せめて子どもは好きじゃないと……!!!
点数稼ぎに躍起になっていました。早く結婚して若いママになりたい。私は結婚願望の強い人間でした。思い描いた人生設計では、27歳で結婚して28歳で子ども一人目、30歳で子ども二人目を産むんだから!だから、早く、早く、早く、この人、私と結婚してくれないかな。
電車で居合わせた小さい子ににっこり微笑みかけてみたり、ショッピングモールを走り回る子どもを見て「可愛いね~」と言ってみたり、そんな風に子ども好きアピールをしました。
予想外の連続。人生って計画通りにいかないですね
そんな結婚に貪欲だった私ですが、24歳で妊娠して入籍し、25歳で出産しました。予期せず、あらかじめ練っていた人生設計よりも早く事が進みました。
いまでも子どもは苦手です。でも、自分の子は信じられないくらい可愛いです。赤ちゃんのよだれを平気で拭って、うんちのオムツを替えている自分なんて、想像できませんでした。でも実際、意外にもちゃんとやれています。予想外です。
子どもは二人欲しいと思っていたけど、妊娠も出産も育児もこれまた想像の範疇を余裕で飛び超えてきました。スーパーハードです。うちはひとりっ子でいきます。
人生は計画通りにいかないですね。
でも私が言えることは、子どもが苦手でも意外とちゃんと育児はできるし、やったことなくてもいざとなれば家事もできるし、料理が大っ嫌いでもそれなりの味のごはんは作れます。
子ども好きを演じていた若いころの私は、少し滑稽だけど今となってはもはや愛おしいです。
いまだに子どもは苦手。だけど、それでも大丈夫。
過去の私に伝えたい。無理しなくていいんだよ。
あなたの旦那さんになる人は、ゴミ捨ても、オムツ替えも、料理も、お風呂掃除も、寝かしつけも、子どもの歯磨きも、やってくれる人だよ。
そもそも女性が家事と育児全部やらなきゃいけないわけじゃないんですよね。自分の母が完ぺきに家事をこなし、平日はワンオペ育児で二人育て上げるのをそばで見ていたから、それがすべてだと思ってしまっていました。
色々と分担してやればいいし、料理が好きな男性だっているし、女性が外で働く家庭だってあるし、本当に家族の形は様々なのにね。
さて。私は未だに、自分の子より月齢が上の子は未知の存在で、どう接したらいいか分かりません。息子より小さい子なら、私も通ってきた道だからある程度勝手が分かるんだけど……。
子どもはだいぶ好きになったけど、苦手なままです。
思えば、親戚の中でも一番年上なのに下の子の面倒を見たことなんて一度もありませんでした。私はずっとそういう人間だったのです。でもいいんです、それで。
なるようになるよ、ありのままの自分で。肩の力抜いていこう。