高校3年生の私へ
高校3年生、部活の引退と同時に始まった受験勉強。
中学校3年生から憧れ続けた緑のユニホーム…、何度自分がトレーナーとしてインカレに帯同することを夢見たかわからないほど行きたい大学があった。
その大学で勉強して、将来は途上国でスポーツを通じて子どものために働く、と当時の私は夢にみていた。
とにかく【合格】のその2文字が欲しくて1日14時間勉強した。朝4時に起きて、22時に寝るまで、分単位で勉強した。
今もう一度やってみろっていわれたら到底不可能なぐらい、過密なスケジュールで日々をこなした。ただただ受かるために必死だった。
体重も10キロ以上痩せた。とにかく落ちる恐怖で食べられず、そしてご飯の時間も惜しむほど机にむかった。
迎えた本番と、報われない努力もあると知ってしまった絶望
迎えた忘れもしないセンター試験。2日目、数一A。
解けなかった。解き方がわからなかった。時間がある限り戦ったのにどうしても思い浮かばなかった。結果45点。続く数2Bも引きずってしまい65点。
模試で何度解いたって、過去問何度解いたって90点割ることなかった得意教科の数学に、最後の最後で裏切られて足きり。
結局、国公立の中でも安全圏の学校を受験して、私の受験はあっけなく終了した。
国立に進学していることを考えれば失敗ではないのかもしれないけれど、
憧れの人と同じ大学に進むことは出来なかった私の大学受験は失敗に終わった。
1日14時間勉強し続けた私は心も体もボロボロで、もう1年がんばるなんて選択肢にないほどに燃え尽きていた。
父は元から頭がよく、多才な人。
母は容量がいいわけではないけれど、それを補うために努力ができる人。
兄は天才肌そのもので感性のままいきている人。
そんな家族に生まれてしまったのは幸運なのか不運なのか
頭もよくなくて、努力も続かず、才能もない自分が嫌いで嫌いで仕方なかった。
頭の良さや才能がうらやましかったり
努力をしている人を妬ましく思ったり、
大学に入ってからの私はとにかく隣の芝生が青くて、でも何もできない人だった。
努力して頑張っても報われなかったときの絶望を知ってしまったし、何より自分の限界を自分で作って、からに閉じこもってしまった。
見失っていた夢へもう一度歩き出すきっかけをくれた強烈な一言
そんな私をみかねたのか、父からある人を紹介された。
途上国で母子保健の普及のため働いている女医さんだった。
途上国で働くのが夢だったことを伝えると、「とりあえずやりたいことをやってみなさい。方法はいくらでもある。やってみて違ったらそこまでだし、でもやる前から言い訳するのはもっと違う」と。
強烈なカウンターパンチだった。痛すぎるほどのパンチは私の胸に響いた。
そのまま一人でネパールという国にむかった。初めての海外だった。
孤児院にいわばボランティアという形で1か月滞在した。
まず、降り立った空港のすごい客引きに泣きそうになった。
WiFiも通じない、電気も停電が多くて不自由、ごはんも全部カレー味、信号のない道路、バス停のないバス、、とにかく毎日が挑戦で生きていくことに必死だった。
そこで、でもああ私生きているんだ、そしていつも周りの人に生かしてもらっているんだ、ということに初めて気づくことができた。
子どもたちの生きてるパワーに私が圧倒されて、そして何もできない惨めな自分に気づいた。
でもSHIRO!って一緒に遊んでくれた子どもたちや、OK!OK!と笑いながら仕事を教えてくれたスタッフの温かさに救われ、
1か月自分と向き合い続けたネパールの旅は無事に終わりを迎えた。
そして、ああここに次に帰ってくるときはもっとかっこいい私になっていよう、
そんな目標ができた。
なにより、沢山の人の支えられて、そして頑張れた自分をちょっとだけ好きになれた。
ちょっと自分を好きになれた今だから伝えたい、高校3年生の私へ
帰国してからは、看護師としていつの日かネパールにちゃんと帰るという目標ができたから、授業も実習も真面目に取り組めた。そして、世界をもっと広げるために色んな国に出かけるようになった。
就職後も毎日勉強を継続しているし、やりたいことには挑戦して、言い訳するぐらいなら準備(努力)をちゃんとしようと思うようになった。
やっと今、少しずつだけど自分を好きになることができている。
やっとあの高校生の頑張っていた自分は無駄ではなかった、と思うことができるようになった。
あの時ボロボロになって頑張ってくれたから、あそこまで頑張れたんだから、今のわたしも頑張れと思えるのだ。
高校3年生の私へ
努力は実らないこともあるけど、道は一つではないし、あきらめないこと、そして頑張ったことは必ず、形は違えど自分にかえってくきます。
今の私はあなたが想像していた大人にはなれていないと思う。
卒なくこなすなんてことも出来ず、かっこわるいことも、失敗することもあるけれど、それでも夢のために一生懸命だと胸を張っていたいと思っているよ。
がむしゃらに頑張ってくれて、ありがとう!未来の私も頑張っています。