誰か、私を止めてくれ。
最近、家にずっといるからか、妄想恋愛をする時間がどんどんと長くなっている気がする。
妄想キャリア20年、気づけば30歳目前。
10代の頃から、私は妄想の世界で恋愛をするのが好きだった。アイドルやイケメン俳優などなど、その時に好きだった人たちとありえない出会いを経て、妄想デートやら、それ以上やらを繰り広げるのだ。勉強以外で打ち込んだものというと、妄想だろう。今、自分で書いていてもかなりヤバイ青春を送っていたと思う。彼らとのめくるめく恋愛ストーリーを、文章に残していなくて本当によかった。
妄想キャリア20年、気づけば30歳目前。リアルな恋愛は一度だけ。
そんなベテラン妄想戦士な私に、この自粛期間は重大な影響を与えている。
暇すぎる私のデートプラン。自粛期間なので、妄想の中でも家デートが多い。
ここ2、3年は仕事もコロコロと変わり、自分の将来について気持ちも暗くなっていたし、素敵な恋愛を夢想する余裕はあまりなかった。今の仕事も慣れるにつれ業務内容が増えていくし、現実世界を私なりに頑張っていた。
しかし、状況はここ一ヶ月で一変した。仕事のシフトも減り、家にいることが多くなった。始めは部屋の片付けをしていたのだけれど、だんだんと暇になって、自分の思考の中に耽溺することが多くなっていった。
最近、ある人(以下Aさん。ご迷惑がかかるので、どんな人かは伏せておく)に夢中で、頭の中で、彼との恋愛が止まらないのだ。
簡単にまとめると、AさんとはSNS上で都合よく出会い、すぐに一緒に住むことになるんだけど、私が架空の人物Bさんと浮気しちゃって(うわ、最低だ)みたいなことになっている。そのBさんがまた優しいものだから、私は揺れに揺れている。
私の妄想は結構現実ともリンクする。自粛期間なので、妄想の中でも家デートが多い気がする。あとは、好きな音楽を探しにレコード屋さんへ行くなど、彼の趣味に合わせたデートだったりする。ひとりよがりな妄想をしているくせに、こういう部分だけは相手のパーソナリティに寄り添う癖がある。
大事なことなのでもう一度言うけれど、ここまで書いたことは妄想だ。こんなことを、ほぼ一日中考えている自分がいて少し怖い。
世界的危機のなか、私の脳内は「恋愛欲求危機」が支配している。
もともと、30になる前に結婚をしたいという世間一般に洗脳されたありふれた願望があった。なので、2020年は婚活パーティーに参加したりして、お相手探しに積極的になろうと計画していた矢先、新型コロナウイルスの蔓延で仕事以外で外に出られなくなってしまった。
恋愛どころじゃなくなるとは思わなかった。20代最後、予想外の展開になってすごく苛立っている。このままだと、現実の恋愛を楽しむことなく30歳を迎えてしまうのではないかと、危惧している。
恋愛がしたい。恋愛がしたい。恋愛がしたい。恋愛がしたい。恋愛がしたい。
いつ収束するか分からないし大恐慌が来るとまで言われる世界的危機のなか、私の脳内は「恋愛欲求危機」が支配している。
友人たちは「みんな結婚した」という現実
別に、30まで恋愛も結婚もしなくても、死ぬわけじゃないし、私は一人の時間を割と楽しめる性格なのに、なぜこんなにも焦燥に駆られるのか。たぶん、甘い妄想にふける時間から、ふいにリアル世界に引き戻される瞬間が、一番辛いからだ。
学生時代に仲の良かった友人たちは、仕事も安定し、キャリアに脂が乗ってきた頃だ。結婚もして子供がいる子だっている。私が妄想にふけっている間に彼女たちは、着実に、堅実に、リアルワールドの幸せを築いていたと思うと、頭をかきむしって叫びたくなる。
そんな無情な現実に押しつぶされそうになると、「このまま私、顔だけ歳とって中身は夢見がち少女のままの、『妄想おばさん』になっていくの?」と洗面台の鏡に映った自分に問いかけてみる。
妄想と現実、自分と向き合う日々
「妄想おばさん」か。響きが怖いな。私はこの先、どう生きて行きたいのだろう?あと一ヶ月は続きそうな「おうち時間」で妄想と現実両方に決着をつけて、本当に今の私が必要としていることに目覚めることができるのだろうか。