おおらかに暮らそう。レジ袋有料化になって気づいたこと

「環境問題」と聞くと、なんとなくもぞもぞする。
それは大切なことだと承知しているはずなのに、ついつい「手軽さ」や「快適さ」に流れてしまう“ダメな自分”を感じるからだ。
環境を意識して取り組んでいることといえば、資源ごみを分類して所定の日に出すことぐらいだろうか。
(卵パックやお肉のトレーをスーパーの回収ボックスに入れていたこともあったけど、いつの間にかやらなくなり遠のいてしまった。)
だけど、そんな劣等生な私でもこの度のレジ袋有料化に伴い、マイバッグを持ち歩くことが習慣になった。これまで持っていたマイバッグだけでなく、小さめサイズのものも新たに購入した。ネイビー地にレモン柄のおしゃれなデザインがお気に入りだ。有料という仕組みは「まあもらえるし、いいか」という怠け心を払拭してくれるので、とてもありがたいと思っている。
正直なところ実施前は、一方的に変化を迫られている感じがしてドキドキした。それがどうだろう。いざやってみると、案外あっさりと暮らしに馴染んだではないか。この新しい日常に心地よささえ感じているし、そんな自分がちょっと誇らしい気持ちでいる。
レジ袋有料化で変わったことといえば、わが家のゴミ箱事情である。
うちにはゴミ箱が全部で3つあるのだけど、これまでは「ゴミ箱が汚れないように」という理由でそれぞれにレジ袋をあてがっていた。
ゴミの日にはレジ袋ごと回収するので、3枚×週2回のペースでコンスタントに消費していた。年間で計算すると312枚という、衝撃的な数字になる。
これをやめた。きっかけは、レジ袋が買わないと手に入らなくなったからだ。
ストックしてあった分が底をつき、思い切ってなしにしてみたら「これでいい」と思えたのだ。ということでレジ袋をセットするのは生ごみだけ。それ以外のゴミ箱には直接ゴミを入れるシステムに変更した。
なんだやってみれば、たいして汚れないじゃないか。それにゴミ箱が汚れるのが嫌だなんて、ちょっと潔癖だったかしら?汚れたときに洗えばいい話なのにね。ちょっと大らかな気持ちになれたかも。こんなふうに思っている私って、なんだか新鮮だ。
実際に困ったことといえば、娘が鉛筆の削りカスをそのままゴミ箱に捨て、パラパラを回収するのが面倒だった、ということくらいだ。謎のマイルールのために、今までずいぶんと資源を浪費してきてしまったものだとふり返る。とんだやらかしだ。
何でもそうだけど、新しいことを取り入れるときってちょっと億劫な気持ちになる。だけど慣れれば馴染むし、色々と新しい発見もあり、さらなる工夫を思いつく。レジ袋有料化を通じ、改めてそう思うようになった。
そういえば、私は洗剤をスポンジにつけて泡ぶくにしないと食器を洗った気にならないのだけど、これも潔癖かな?飲食店じゃあるまいし、そんなにピカピカにしなくてもいいよね。環境のことを考えて重曹で洗えると聞いたことがあるから、取り入れてみようかな。
泡がない分すすぎが短時間でできるだろうし、洗い物が楽になるかも。暮らしにおおらかさを持てば環境に配慮できるし、自分を縛ることから解放される気がする。
これを機に日々の生活シーンを丁寧に棚卸ししてみよう。限られた資源を乱用していないか?という視点はもちろん、謎のマイルールが暮らしを窮屈にしていないか?ということも考えたい。一つひとつのこびりつきをはがし、もっと身軽になろう。
わあ!そんなふうに思っていると、なんだかワクワクしてきた。
地球に優しく、自分にも優しい。
そんな暮らしを目指してみたい。
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