23歳、社会人になった私は人生で初めて前髪を伸ばした

今から3年前、私は23歳。社会人になって人生で初めて前髪を伸ばしてみた。

久しぶりに大学の友人に会うと「何それ~!なんか似合ってないよ~!」と笑われたのを覚えている。学生の頃は前髪が短くショートカットだった私。友人に会ったときは前髪が顎くらいまであって、後ろ髪は一つにまとめていた。見慣れない私の姿が物凄く違和感だったのだと思う。

友人の反応をきっかけに私はあっさり前髪を伸ばすことを断念。昔から髪を伸ばすことに関しては意志が弱すぎる私。長い前髪は私には似合わない、とあきらめて切ってしまった。

憧れの髪型に私は不釣り合い。自分でもよく分かっている

だがその1年後、もう一度私に前髪伸ばしたいブームが到来する。

「この髪型にしたい!」と憧れたのは若い頃のアンジェリーナ・ジョリー。艶めく黒髪。前髪と後ろ髪は肩までの長さでゆるいウェーブ。かき上げている姿がかっこよかった。インスタで流れてきたその写真に一目ぼれ。

いつもなら友人や家族に「こういう髪型にしてみたいんだけど似合うかな?」と聞いていたのだが、あの時は「別にどう思われてもいいや。自分の好きなようにしよう。」と思ってショートボブから頑張って伸ばした。

伸びかけの中途半端な状態に何度もイラっとして「もう切っちゃおう。」と思ったけど、「ここまで伸ばしたなら最後までやろう。」と意地も出てきていた。そしていつも担当してくれる美容師さんに相談し、パーマをかけることになった。(私の髪はドストレートなので、アンジェリーナ様を目指すのであればボリュームを出す必要がありパーマをかけながら伸ばしたほうがいいという結論)

数時間をかけて初パーマ終了。鏡を見てみるとそこにはまたもや見慣れない自分。家に帰ってから正直失敗したなぁーと思った。お風呂上りに鏡を見ると余計変に見えてきた。

翌日会社へ行くと案の定、「へー、パーマかけたんだねー、見慣れなーい」と言われた。誰も「似合うね」とは言ってくれなかった。その夜は「まぁ、気づいてもらえただけでもよかった。」と自分を励ました。ちょっと期待していたことが恥ずかしい。

自分でもよく分かっていた。憧れの髪型に私は不釣り合いなことは。でもやってみたかったのだ。

自らの意志で髪型を決められなかった自分に別れを告げた

似合うか似合わないかは別としてパーマは気に入った。毎日アイロンしなくていいし、一つに結んだらそれなりにまとまって見えるし。私はもう少しこのままでいようと思った。

そして3か月後、パーマも取れてきたので美容師さんに次はどうするか聞かれた。前髪はちゃんと伸びていた。別にここで切ってしまってもいいし、学生の頃のなじみのある髪型に戻してしまってもいい。

だけど、「もう少し伸ばしたいので、パーマをかけて髪の色も明るくしてください!」とお願いした。美容師さんは、私のいつもと違う注文に「ほんとにいいの?」という反応だったけど、私はそれでいいと思った。

いつもの私ならこの髪型のほうが無難かな、とか、もういいやこれでという感じで決めていた。「私はこれがいい」と自分で決められなかった。誰かにいいねと言われないものを選ぶことができなかった。

今なら自信を持って言える。自分が好きならやってみればいい

あれから現在まで私は自称アンジェリーナ風の髪型を貫いている。自分で言うのもなんだが周りからの評判は良くなった。大げさだけどあの時自分を貫いてよかったと思う。何よりも人生で初めて自分の髪型を好きだと思えた。アンジェリーナ様とは程遠いけど、私なりの似合い方を見つけることができたから。

「似合わない、らしくない」ということでも、自分が納得して自分に合ったスタイルを見つける努力をしていれば、似合わなかったものも似合うようになっていくものだと実感している。

誰が何と言おうと自分が好きならやればいい。やりたいなら、やってみればいい。周りの評価なんてゆらぐもの。それなら自分で自分をどう思えるか。今の髪型も、今これを書いている自分のことも私はけっこう好きだ。

これからも色んな髪型に挑戦していきたいと思っている。