「女子校には行きたくない」
バイト先の塾の生徒が言った。

時代の変化に応じて別学が減り、共学へと変化した裏側で感じる不満感

女子校や男子校が少しずつ私の周りから減っていった。私が学生の時は女子校だった高校が今は共学になり、地元で男子校で有名だった高校も昨年から共学へと変わった。
少子化や男女平等社会の意識の高まりから別学から共学へと変化したと言われているみたいだが、それは表面上の考えではないだろうか。

塾の生徒の学力レベル的に地元の女子校を勧めることがあった。その時に渋い顔をされたことが何度かある。なぜ、女子校が嫌なのか問うと、さまざまな理由があげられた。

女子だけだと出会いがなくて恋人ができない。
女子だけの空間だとギスギスする。
女子だけだと陰湿なやりとりが多そう。
女子だけだと体育祭や文化祭が盛り上がらなくて面白くなさそう。
女子だけだと閉鎖的で、周りから置いていかれる感じがする。

納得できた。生徒の主観的な意見ではあるが、私も同じことを感じていた。
表面上は少子化や男女平等の意識と、社会の変化に応じての共学へ移行した形になっている。
しかし、裏側で感じる別学へ対する不満感が影響する部分もあるのではないだろうか。

社会に出ても同じことが言え、男女どちらかに偏ると価値観も偏りがち

別学、共学の問題だけではなく、社会に出ても同じことが言える。
教育関係の仕事につき、幼稚園や保育園で働く友人や知人が増えた。
その時に「この職場はほとんど女性だから……ギスギスすること多いんだよね」と言われることがあった。
誰かが誰かの味方につく。誰かが誰かの敵になる。こそこそ廊下で悪く言われていた。LINEで陰口を叩かれていた。グループLINEに自分だけ入っていなかった。
職場も学校も同じように陰湿なやりとりが存在する。男女共に過ごしていても起こることかもしれない。でも、やはり女性ばかりだからという気持ちが拭えない。陰湿なやりとりが根強く残ってしまうように感じた。
また、男性ばかりであったとしても似たような問題が発生するように感じる。女性とはまた違った問題だが、男性だからこその問題が起こると考えた。お酒の強要やキツイあたりなど、現場は違えど問題は多々あるように感じる。
男女どちらかに偏ると価値観も偏りがちになってしまう。

どんな環境でも、より良い生活を目指して互いが尊重しあえるように

共学と別学を考えると別学の方がいいと感じた。
でも、それは共学だから、別学だからという問題だけではないようにも感じた。

男女関係なくお互いを尊重し合う学校が多くなればいい。別学でも共学でも、心穏やかに、誰かに蹴落とされることなく頑張れるところになればいい。社会でも同じ。
陰口を叩く人には面と向かって言いたいことをいうように、理不尽なことには立ち向かう。別学でも互いに楽しい生活が送れるようにアイデアを出し合う。
そのためには1人ひとりがお互いを認め合い、違いを受け入れ、より良い生活を目指していくことが大切だ。
だから私は、より良い生活を目指して互いが尊重しあえるようにしたい。さまざまな人と接しいろんな人の価値観を知り、そういう考えもあるんだと認めていく。周りがどうこうと嘆くのではなく、まずは自分から。そこからより良い環境や人間関係を築いていきたい。