友達の姿がまぶしくて、ヤングケアラーだとは言えなかった
かがみよかがみとTikTokのコラボ企画。今回は特別企画のため、通常募集時の1500字程度よりも短い180~500字程度のエッセイとなります。
かがみよかがみとTikTokのコラボ企画。今回は特別企画のため、通常募集時の1500字程度よりも短い180~500字程度のエッセイとなります。
21歳の時に母を乳癌で亡くした。
12歳から親の介護をして、29歳で自分がヤングケアラーだったということを知った。
友達の前では、普通の家庭のように毎日明るく振る舞っていた。
高校卒業後、周りの友達に嘘をついて、親の通院、病気に関する様々な手続きや介護、世話をしていた。
20歳の成人式当日。
「なんでこないの?」
と連絡をくれた友達がいた。
「仕事で遠出してるから帰れない」
と嘘をついた。
周りの友達が、自分の将来を考え進学、就職していく姿が眩しくって、自分から距離を置いた。
「今何してるの?」の質問にまた嘘をいうのが苦痛だった。
母が弱っていく姿を見て、先の見えない自分の将来の中、友達に嘘をつかなきゃいけない自分に嫌気がさした。
それでも、私のあいまいな距離のとり方でも、そのまま友達でいてくれた数少ない友達がいる。
今でも友達でいてくれてるその友達には、まだヤングケアラーだったことをいっていない。
現在は、結婚して子どもいて、いままで1番幸せを感じている。
ヤングケアラーでよかったことは、どんな状態でも友達でいてくれたこと。
8年たった今、辛いこともたくさんあったけど、なにも聞かず友達でいてくれてありがとう。
かがみよかがみは「私は変わらない、社会を変える」をコンセプトにしたエッセイ投稿メディアです。
「私」が持つ違和感を持ち寄り、社会を変えるムーブメントをつくっていくことが目標です。
恋愛やキャリアなど個人的な経験と、Metooやジェンダーなどの社会的関心が混ざり合ったエッセイやコラム、インタビューを配信しています。