毎年冬が近づくと思い出すイベント。
イベント当日まで指折りで数えていた。
毎年12月に入ると、160cmくらいのクリスマスツリーを出す。
自分の背丈よりも高いツリー。踏み台を持ってきて、兄弟で飾り付け。
電飾もあり、キラキラしていて見るのが大好きだ。

母の誕生日でもあるイブが近づくにつれ、ワクワクも増していく

「今年はどんなプレゼントが貰えるかなぁ」
日にちが近づくにつれ、ワクワクも増していく。小学一年生の時は、授業中窓の外を見ながらサンタさんのことを考えていたほど。
プレゼントの届いた朝は、決まって兄弟集まってプレゼントを開けていた。喜ぶこともあれば、お願いしたのと違うと落胆することもあった。他の兄弟のプレゼントを羨むことも。
クリスマスイブの12月24日は母の誕生日。
「どんなプレゼントを渡したら喜んでもらえるかなぁ」
わずかなお小遣いを兄弟で寄せ集めて、プレゼントを考えるのも楽しかった。
12月24日は毎年夜はお祝いをしていた。クリスマスと母の誕生日のお祝い。
食事もいつもより豪華。我が家ではクリスマスケーキは買うことは滅多になく、手作りだ。
母がスポンジケーキから作ることも多かった。そして私たち兄弟がデコレーションする。
もちろんデコレーションの途中で喧嘩になることもあった。
毎年、デコレーションするのが楽しみだった。

実家を離れて知った、家族と過ごすクリスマスとは違う楽しさ

毎年、当たり前のように家族揃ってお祝いしていた。
普段から家族全員で食事をする家庭だったから、そのありがたさは気づかなかった。
私たち兄弟の年齢が上がるにつれ、クリスマスを家族みんなで過ごすのが当たり前ではないと気づいた。
友達や恋人と過ごすこともある。進学や就職に伴い、実家を離れることもある。
大学生になってから実家を離れた私は、バイトや大学の授業、課題があり、12月24日に帰省するのは難しかった。
それに友達と過ごすクリスマスはとても楽しかった。家族と過ごすクリスマスとは違う楽しさ。

今年、私の弟は高校3年生、受験生だ。
私は3人兄弟の真ん中で、兄と弟がいる。兄は大学進学と同時に実家を離れた。
「今年は実家はクリスマスと母さんの誕生日のお祝いするのかな」
そんなことをふと考える。
子供が弟しかいない上に、受験生だからしない気もする。
じゃあ来年は?もし弟が大学進学で実家を離れたら、両親2人でお祝いをするのだろうか。
子供の成長とともに少なくなっていく家族のイベント。両親はどんな気持ちなんだろう。
そんなことを気にするような年齢になった。
それぞれの道でお互い頑張っているから、みんなで集まることは少なくなった。
年末年始でさえ集まることが出来ないこともある。
当たり前だった家族揃ってのクリスマスや母の誕生日のお祝いは、何年もしていない。
「寂しいなぁ」なんて思っても仕方ないと思うけど。

お金で買えるプレゼントよりも、家族全員で一緒にお祝いしたい。

そんなことを思いながら、今年もクリスマスの時期がやってきた。
一人暮らしの私の元に、サンタさんはやってこない。今年から働き始めた私にとって、クリスマスは仕事で無縁になっていく。
あんなに毎年楽しみにしていたイベントなのに。
そんなことを思いながら、今年も母の誕生日プレゼントを考えている。
子供の頃よりかはお金があるし、プレゼントの選択肢は無限と言ってもいいほど広がったと思う。
だけど、私はお金で買えるプレゼントよりも一緒にお祝いしたい。
家族全員で。
数年後、家族が増えた時、もっと大人数でもっと賑やかなクリスマスと母の誕生日のお祝いをしようと心に誓った。