「サンタさん」の存在を信じているというよいこの皆さんは、ぜひこの文章を読まずにUターンして引き返して欲しい。私が今から書くことにはある種「サンタさん」についてのネタバレが含まれているかもしれないからである。

12月25日、屋根裏の小さなツリーの下に置かれていたプレゼント

スーパーへ行って思う。
英語のクリスマスソングが自然と耳に入ってきて、赤、緑の装飾を見て、「あれ、もうクリスマスか……」。
もう20歳を超えてからは、ついこないだまでハロウィンじゃなかった?と毎年思っている気がする。

そんな私の誕生日は12月23日。
そうです、人生でよくされる質問6位くらいの「え、その誕生日ってことはさ、クリスマスプレゼントと誕生日プレゼント一緒なの?^_^」という質問。
クリスマス近辺が誕生日の同志たちよ、みんなはどうでしたか?私はこの誕生日とクリスマスが近くなってきた時に思い出す幼少期の思い出がある。

小学校6年生の時だったと思う。
今思えば小学6年生と中学校1年生は1歳しか変わらないが、立場としては大きく変化する区切りだった。
お小遣いがアップしたり、携帯を持たせてもらえるようになったり、制服を着たり。社会へ放り出される前のウォーミングアップ的な。
私のクリスマスの思い出は、25日の朝に起きると必ず12月以外は屋根裏で眠る小さなクリスマスツリーの下にプレゼントがあった。

気まずそうな顔から察した小6の私。夢を見させてくれてありがとう

当時の私はサンタさんを本当に信じていた(23歳の今でもサンタさんとか宇宙人本気で信じてますけど何か文句ある方受け付けませんよ)。
寒い朝少し早起きして、プレゼントを見た時のワクワクと魔法だ!サンタさんだ!と……。純度100%で信じていた。
しかし小学6年生の冬、12月。

今年もサンタさんがなんの疑いもなくきてくれると信じて、当時大好きだったティーン雑誌を読んで「今年は何をもらおうかなー?」と声に出して読んでいた時のこと。
その光景を見ていた両親は、
「今年はもうないんじゃないかな」
と私に一言。

「えっなんでサンタさんって欲しいものなんでもくれんじゃん。サンタさん上から見てるから、今雑誌見て選んでるの」
「……」と両親は気まずそうな、切ない顔をしていた。
そこで何かを察した小6の私の目には大粒の涙。
当時は裏切られたような、欲しいものが今年はもらえないかも?という気持ちで、悲しくて大泣きしたのを覚えている。

今では両親の気持ちを考えてまた、胸が痛い……。
ママ、パパ夢見させてくれてありがとな……という気持ちである。

クリスマスは家族総出で演出をする伝統芸。23歳の私が考えること

次の日、当然のように繰り広げられる「サンタさんきたー?」という会話。またサンタさんはいる?いない?論争。
1つ大人になってしまった私は、純粋にサンタさんを信じて目を輝かしている友達には決してネタバレはしないぞと誓った。

そして、現在23歳の私はというと、自分が親になった時、どうやって夢を見させるのか、自分の子供が何歳の時にネタバレをするのかを考えている。
クリスマスの伝統芸とも言える家族総出の演出。
今年もたくさんの子供たちが目を輝かしてくれますように。