2022年、私は29歳になった。

社会人になってから、時間が経つ速さが尋常じゃない気がする。
学生時代は大人になったら大人の支配から逃れられるだなんて思っていたのに、結局逃れられなかった。
大人になったら自由だ!なんて豪語していた高校時代。社会人になってかえってしがらみに縛られ、ルールや規則に縛られ、逃げ道がなくなったように感じた。
何が自由だ。何が卒業だ。

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仕事仕事の毎日で体を壊した社会人1年目。
教員になったことを後悔した社会人4年目。
仕事と自分の生き方がわからなくなった社会人6年目。
そして仕事に対する意識が変わった社会人7年目。今だ。
私は私の人生を歩まないと!
仕事があるから、仕事をしないといけないからと仕事のせいにしてしまっていた。お金を稼がないといけないから、周りにちゃんとやっているように見られないといけないからと、やりたいことがあっても何かしら社会人特有の理由をつけて後回しにしてきた。楽しんでいる人を見て、楽でいいな、遊ぶ時間あっていいな、羨ましいな、なんて思っていた。

でも違う。その人たちはちゃんと楽しみを掴みに行っている。それに対して私は自ら楽しいことを、好きなことを掴むことを諦めてしまっていたのだ。
仕事やお金、周りの視線に執着して、自分の好きなことを遠回しにしていた。

29歳まで仕事仕事で生きてきた。周囲から見たら「真面目で頑張る人」だった。でも周囲から見た真面目で頑張る人ってそんなに大切かと自分に問うた時、違和感があった。周りが満足する人でいることがそれほど大事なのか。
私は承認欲求が強いが、それで楽しみや好きを犠牲にするのはおかしい。そう気づいたのが2022年の半ばだった。

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だから2022年、29歳の私は私の人生を歩むことを決めた。

今までは有給を全て使わず働き続けていたが、今年は5日間も有給を取った。社会人になって初めてのことだった。その休んだ日にエッセイを書いたり公募を探したり、まったり過ごしたり、大切な人に会ったり、とても有意義な時間を過ごした。
持ち帰りの仕事で毎日睡眠時間を削り、体調が悪かろうが熱があろうが、フラフラになって仕事に行っていたこともあったがやめた。
持ち帰りの仕事はほどほどにして、自分の好きな工作の時間にあてたり、イラストを描いたりする時間になった。

あとは29歳、20代最後の私の人生。爪痕を残すためにたくさんの作品やコンテストに応募した。
エッセイや手紙、ハガキにイラスト、美術展覧会にクイーン、それからのど自慢。コンテストに応募し自分の力を試し続けた。
結果は多くが落選。よくても入選程度。でも、小さな成果がたくさんあった。
エッセイはたくさんの人に読んでもらえ、1つ大きな賞に選んでもらった。美術展覧会は、昨年落選から今年は入選。クイーンへの挑戦は、夏目わかとして初で最終選考まで残った。のど自慢は初挑戦で書類選考を通過し、予選会の舞台で歌うこともできた。

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これだけのことができたのは、仕事に囚われなくなったからだ。
好きなことしよう、自分を高めようと諦めずつかみにいったからだ。
仕事の手を抜いているわけではないが、頭の中を仕事で支配しないように生活すると、こんなにもいろんなことができるんだと気づいた。

2022年も残りわずか。私は2022年が終わるまで、20代が終わるまで、いや、私の人生が尽きるまで挑戦し続けたい。
何かのせいにせずに、自分でチャンスをつかみにいきたい。
困難な出来事にぶつかっても、諦めずに前に進んでいきたい。
大きな夢を持つことで小さな夢が叶うことを信じて。