元々細い人特有の、骨から細い感じに憧れる。横断歩道での信号の待ち時間、デパートの化粧室の鏡、街ですれ違う時などにそういう人を気付かれないようにジロリと横目で見てしまう。そろそろやめたいのだけれど。
夏に半袖やタンクトップ、生足が増えても羨ましいな〜と思ってしまうし、冬に細い足でミニスカートとロングブーツを合わせているのもいいな〜と思ってしまう。
今日だって駅ビルの中で20代前半くらいの女の子達が秋っぽい色味でミニスカートを合わせていて、日本にミニスカートブームを巻き起こしたツイッギーみたいなスタイルをしていて可愛いなと思った。みんな背も高くて、160cm以上はあるように見えた。

私の痩身崇拝は、幼い頃に見たプリキュアやセーラームーンなどの女児向けキャラクターの虜になった時からだと思う。目が大きくて、針金みたいに細くて、手足が長い。
なかば刷り込みのようなかたちで、憧れの心を抱いたのだろう。

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それから少し経って小学校高学年の辺りには、K-POPブームでホットパンツに生足のガールズグループが流行り、応援していた。
そして、なぜか私が一緒にいる友達はいつの時期も揃いも揃って細かった。
同じくらいの量を食べているはずなのに、同じパンツを履いてもかたやルパン三世、かたやドラえもんなのであった。それもコンプレックスを助長した。
ダイエットに熱を注いでも不健康に肉が削げていくばかりで、一時期は後ろから見るとお尻の穴が丸見えになるくらいになっていた。元々の骨格や体型を無視して努力しても、魅力はただ損なわれていくだけなのだと知れて良かったと今になっては思う。

現在交際中の彼氏も、これまた元々細いタチの人間である。以前お互いの幼少期の写真を見せ合ったら、全く似た色味のショッキングピンクのTシャツを着ている写真があったが、体格が違くて笑ってしまった。やはり、私は骨からしてたくましい。
彼氏の中学生の頃の写真を見ても、細い。高校生、大学生になった写真を見ても、細い。人生で一度も太ったことがないという。
抱きしめても華奢であることが伝わってくる。女の子と抱き合っているみたいで、たまにあれれ?となる。ふざけて本名にそった女の子みたいなあだ名をつけて呼んでも、全然違和感がない。
大食いで、運動もほぼほぼしないのに何故こんなに細いのか、食べたものがどこに行っているのか気になる。

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元々の骨格がたくましくて肉体が主張的な私のような人類は、そういう体型に憧れたとしても骨が折れるほどの努力を続けていかないと保つことは難しい。

でも、それを続けたら確実に心身ともに病む。だから、普通に食べ筋トレさえすればちょうどえー体型を保てることに気付いて、継続している。筋トレといっても器具は使わない。

高すぎる理想は一旦横に置いておき、着実にボディをメイクするのみだ。進む秒針と重力に逆らって、せっせこせっせこ1日に数分でもいいから身体を動かす。
体重より体型だと思いつつも、体重計に乗っては一喜一憂する癖はまだやめられない。
そういうのも含めて人生というものなのだろう、きっと。
元気と健康が一番!