もう少しで、30歳の誕生日が来る。

昔から、思い立ったらすぐに動くタイプではあったけれど、ここ2〜3年は思いつきでふっと行動したことが、自分を思いもかけないような方向に導いてくれることもあった。

かがみよかがみへの投稿、その投稿をまとめたZINEを作ったこと、一箱古本市に出たこと……。

結果として30歳の誕生日は古本屋の店主として迎えることになったし、その後にこれまで書いたエッセイをまとめたものも出すことを決めている。

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1年前には予想だにしていなかったことだった。もちろん全てがうまくいっているわけではないけれど、ふわふわとしたアルバイトの日々では絶対に思いつかなかった、本屋としてフェミニズムや女性学の本を売っていきたい、文章を書くだけではなくて編集もしてみたいとか、韓国文学を原文で読めるようになりたいとか、新しい目標もたくさん持つことができている。

いつも冬にはメンタル的に落ち込みがちなわたしだけれど、2024年の12月に店のリニューアルオープンをしたことで、本関係の忘年会や新年会に顔を出したり、紹介された本屋さんに行ってみたりと積極的に動いている。自分の中で、だけれど。

後ろ向きになりがちなわたしも、文章を書いているときはこうして前向きなことだけを綴ることができるようになったと思う。

これまでの人生について書いたものはどうしても暗いものが多かった。

そしてそれは「そういう人生だった人間が幸せだとか明るい内容のものを書く」ことにうっすらとした後ろめたさがあったからだ。

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だけど、自分が明るい日々を過ごすことを否定するのは苦しいし、その縛りがかえっていらない感情も生み出してしまうことに気づいた。もちろん自分の文章を似たような人に届けたいという気持ちまで捨てるわけではないから、苦しかったことを書くのをやめるわけではないけれど、今の自分がより楽にいられるようにしていきたいと思う。

明るい文章を書く、というのが実際どういうことなのかはまだわからないけれど、このエッセイをそのひとつめにしたい。

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2025年の目標は文章を書き続けること、店を軌道に乗せること、韓国語の勉強をすること。

かがみよかがみへの投稿を卒業しても、自分のnoteか、店のフリーペーパーか、形はわからないけれど書き続けていきたいと思う。それはテーマなしにエッセイを、文章を書くことへの挑戦でもある。

10歳の時は20歳になると思っていなかったし、20歳の時も30歳になると思っていなかった。

けれど29歳まで生きてきて、いろんなことを文章にしているうちにいつかは40歳にも50歳にもなるのではないかと思えるようになった。

29歳と30歳に大きな差はない、と今のわたしは思うけれど、いつか振り返ると違うのかもしれない。その時のために、2025年は挑戦や積極的な選択をしていきたい。