「大変だけどいい経験」と言えたとき、やっと「辛い」から卒業できた

まだお酒も飲めない年齢だが、これまでの短い人生の中で辛いことはたくさんあった。それらを乗り越えて「いい経験だった」と言えるようになることが、辛い出来事からの「卒業」だ。
小学校低学年の時には、下校班で仲間外れを受けていた。本当は逃げ出したかったが、それでも家に帰るにはその場を耐えて乗り切るしかなかった。泣くと負けた気になるので、その場では我慢し家に帰ってから母の腕の中で泣いていた。
小学生の嫌がらせなんて、時間が経てばそのうち終わる。だがそれが分かるのは、嫌がらせが終わった後だ。
この経験によって私は打たれ強くなり、その後も時々出会う嫌がらせに動じず過ごすことができている。
中学校ではテストの順位争いが過熱し、酷い目にあった。噂が広がる速さも身をもって知ったし、よく知らない子からの陰口も経験した。
直接順位を聞いてくる子はマシなほうで、点数や成績表を横目で盗み見しようとする子や私と友達の会話に耳をそば立てる子もいた。
一時は気が滅入りそうだったが、私の成績はあなたには関係ないよ、そんなに悔しいなら努力したら?と心の中で反論できるようになってからは強くいられた。それに、周囲からのプレッシャーの中で戦う力も身につけた。これは受験期に、とても役立った。
高校では部活仲間からの仲間外れを受けた。きっかけは何だったのか、本当に分からなかった。ただ同級生や一部の先輩から私がいないように扱われ、苦しかった。同時期に校外に自分のやりたいことが見つかり、それに時間を割きたかったこともあって部活から足が遠のいた。それでも2年次の総体に出てから部活を辞めようと決意し、頻度こそ低かったものの何とか参加し続けた。
総体後には当時ペアを組んでいた先輩と号泣するという青春っぽいことも経験することができたし、部活を辞めてからも校外活動や勉強に集中できた。
その後、同じ部活だった同級生と同じ大学を受験することになって、私が部活を辞めたから不利だ、なんてことをしつこく言われたことにも多大なストレスを受けたが、乗り切った。後日大学の先生にそれとなく聞いてみると、部活を辞めたことなんて関係ないよと言われてスッキリした。
母と2人で車に乗ると、よく過去の話になりこれらの出来事を振り返る。
あの時は大変だったけどいい経験だったね、と言っている時、自分の強さを再認識してこれからも絶対に大丈夫だと思える。卒業した過去の出来事は、母校として私を支えている。
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