“Initiative for Change”
「変革のためには主導権を握れ」という意味のこの言葉は、私の背中を押してくれる、お守りのような言葉だ。

自分の人生を良い方向に変えていけるかどうかは、自分次第

読み方は、「イニシアチブ フォア チェンジ」
私がこの言葉と出会ったのは、中学生の時だった。
当時の学年主任の先生が、ご自身の実体験と共に朝の集会のときに話してくれた。

先生の話の内容は確かこんな感じだった。
高校受験に失敗して、第一志望ではない学校に行くことになった。
入学当初はそのことを気にしていて、落ち込んでいたし、学校も面白くなかった。
でも、このまま貴重な高校生活を楽しまずに終わるのは良くないと考え、自分の行動を改めた。積極的に行事にも参加し、行動することで高校生活を実り多いものにすることができた。自分の人生を良い方向に変えていけるかどうかは、自分次第とのことだった。

この言葉は、当時の私の心にクリティカルヒットした。

退部はハードルが高かった。でも、あの言葉が背中を押してくれた

この話を聞いたとき、私は数人の女子生徒にひどくいじめられていた。
私は、学年の中でかなり目立つ存在だった。
小学校は、1クラスしかなかったので、「いじめ」を知らずに育った。
意地悪をされてもやり返せないし、やり返し方も知らない私は、いじめっこの格好の餌だった。
入っていた吹奏楽部で仲間外れにされた。
学力の差がどんどん開いていくことを面白く思っていなかった小学校の友だちは、私が仲間外れにされているのを見て見ぬふりをした。そして、その状況を楽しんでいた。
吹奏楽部の生徒が何人も同じクラスにいたため、そのうちクラスでも仲間外れにされた。
初めての経験にものすごく苦しんだ。
吹奏楽部の顧問に訴えたが、顧問はいじめっ子の肩を持った。
吹奏楽部を退部するしかないと思った。

ただ、その当時の私にとって一度入部した部活を辞めることは、かなりハードルが高かった。部活をしていない子は少なかったし、辞める子は少し意志の弱い子、すぐ諦める子だと周りから思われると思った。かなりひどい完璧主義っ子だったので、自分が途中で諦めることや挫折することが許せなかった。(笑)

そう思っていたが、この言葉“Initiative for Change”が背中を押してくれた。

友だちが間接的に励ましてくれた。陸上部に入り直して、楽しかった

いじめられ、日に日に心が弱っていく環境に身を置くことが本当に自分にとって良いことか。
答えは、明らかだった。
私は、何一つ未練無く、最低最悪な吹奏楽部とおさらばすることができた。

その後、私が吹奏楽部を辞めたことを知ったクラスメートが自分の部活に誘ってくれた。
男子もふざけてサッカー部や野球部にも誘ってくれたのは嬉しかった。
間接的に励ましてくれていることが伝わってきた。

そして、退部してから半年後に陸上部に入り直した。
半年間ずっと陸上部においでよと誘ってくれた友だちがいたからだ。
とても楽しかった。
途中から入部するのにも辞める時と同じくらい、とても勇気が要ったが、中学校生活を辛かったという記憶だけで終わらすことにならずにすみ、仲の良い友だちにも恵まれたため、入部して本当に良かったと思う。

“Initiative for Change”
この言葉は、自分の現状に不満を抱いているときに、外に踏み出す勇気を与えてくれる。
中学生時代のいじめという苦い経験をいじめ返すという方法で克服するのではなく、フィールドを変えて自分の生活を楽しむという方法で浄化させた私は強いと自分で思っている。
今、パワハラにあって休職中で不安もあるけど、私だから大丈夫と思っている。
それはやはり、私の胸の奥底にこの言葉とこの経験があるからだろう。

自分の人生を切り開けるのは、自分しかいない。
上手くいかないとき、その風向きを変えられるのは、自分しかいない。
たとえ失敗しても、何度でも舵を切り直せばいいのだから。
自分の人生のゲームチェンジャーは、自分しかいない。

だから、私は大丈夫。
“Initiative for Change”
この言葉は、そのことを思い出させてくれる私のお守りです。