「結婚はおろか恋人すらいませんけど」と返したけれど、内心すごくモヤモヤ

私には、身体的なコンプレックスがたくさんある。周りの人と比べてバストが小さいこと。サラサラストレートヘアになりたいのに癖毛であること。団子鼻とほうれい線のせいでキレイなお姉さんには程遠い顔立ちであること。他にもいっぱいあるコンプレックスのせいで、学生時代は色々と嫌な思いをしてきた。でも、それ以上に今、私が悩んでいることがある。
それは、私だけ独身であることだ。
幸せの形は人それぞれだし、ライフステージにもその人のペースがある。だから、私の周りが”当たり前のように”恋愛・結婚・出産をしている人で溢れている中でも、私はいつも祝福モード。焦りも負の感情もまったくなかった。「みんなが幸せなら私も幸せ」という考え方なので、女性同士のドロドロが私には理解できなかった。
残念ながら、周りは私とは違うらしい。集団の中で独身がマイノリティだと「何か問題があるから結婚できないんじゃないか」、結婚していても子どもがいないと「いつ頃つくる予定なの?」などと、自分たちが”普通”だと思って好き勝手言ってくる。先日、私の友人が出産した。送ってもらった可愛い赤ちゃんの写真を見せながら、職場の男性上司に話した。すると上司は「あなたも早く産みなさいよ」と言ってきた。いやいや、私は結婚はおろか恋人すらいませんけど、なんておちゃらけて返しておいたけれど、内心すごくモヤモヤしていた。
結婚している友人から「みちるちゃんは可愛くて思いやりがあっていい子だから、早くステキな人見つけてほしい!」と言われることが多々ある。
私自身、いつかは結婚したいけれど、何歳までにというのは決めていない。子どもは好きだけれど、自分が出産することや親になることに対してはちょっと違うかなという考え。隣にいて安心できて、お互いの価値観を大切にできる存在。最低限の条件なので、簡単なようで難しいけれどそれを見極めながらパートナーを見つけたい。私のペースでいきたいので、友人にはいつも「正直、放っておいてほしいんだけどな……」と言いそうになる。
自分を表に出さずにひたすら耐えてきた過去と比べて、自分らしく生きられている今の方がずっと幸せを感じている。数年前に「自分の人生なんだから私らしく生きたい」と、勇気を出して転職した瞬間からすべてが変わった。誰かと一緒じゃないとどこにも行けなかった私が、コスメのイベントやカフェ、映画館など、1人で色んな場所へ行けるようになった。途中の道でペットショップの存在に気づき、しばらく可愛い子犬たちを眺めていても誰にも文句は言われない。
相手の要望に妥協してばかりの行動をしなくて済むのが何より嬉しい。これは独身だからこそできること。将来、結婚したら今みたいに100%自由にというわけにはいかない。1人である今だからこそ、私の好きなように人生を楽しみたい。
家族からも友人からも、好きな人からも、私は「優しいね」と言われる。どちらかというとギバー(Giver:与える人)思考の私は、大切な人には幸せになってほしい。「どうしたら相手に喜んでもらえるかな」「笑顔になってもらえたら嬉しいな」と、いつも考えながら行動している。見返りは求めていなくて純粋な私の気持ちだけど、私にもみんなみたいな幸せが返ってきたらいいなと、ちょっとだけ思っている。
そして、自分らしさを忘れずにいられるパートナーと幸せな人生を歩みたい。
かがみよかがみは「私は変わらない、社会を変える」をコンセプトにしたエッセイ投稿メディアです。
「私」が持つ違和感を持ち寄り、社会を変えるムーブメントをつくっていくことが目標です。
恋愛やキャリアなど個人的な経験と、Metooやジェンダーなどの社会的関心が混ざり合ったエッセイやコラム、インタビューを配信しています。