「かがみよかがみ」の存在を知ったのはいつだったろう。
WEB上で初めて見つけたときは歓喜した。
まるで好物を見つけた犬のごとく、シッポをフリフリさせた私。ところが募集要項に目を通し、そのシッポはダラ~ン。年齢制限アリか……あ~あ。

とはいっても、たまには「年齢制限ナシ」のテーマも。50代オバサンでも堂々と応募できるのだ。ありがたやありがたやと何本かトライ。採用されたときの編集者からのコメントも嬉しく、おまけに最近「年齢制限ナシ」が月イチとなり、シッポをフリフリどころか、ちぎれんばかりにブンブン振って張り切っていた。

なのにいきなり「11月末で更新停止」の知らせが……。マジかよ。ガク然とした。シッポはダラ~ンどころか、根元から引っこ抜かれたカンジ。
凹んだのはいうまでもない。
ファンとしてはこれまでの活動に心から感謝し笑顔で見送るしかない、というワケで、最後のテーマへ応募することにした。

◎          ◎

そのテーマ「私は変わらない、社会を変える」について思うこと。
そもそも本サイトのコンセプトだが、初めの頃はイマイチ馴染めなかった。
響きはカッコいいけど、ちと大げさじゃね? 社会なんてそう簡単に変わらないし……。

ところが若い女性たちのエッセイを日々拾い読みするうち、少しずつ気持ちが変化してきた。恋愛・結婚・性・人間関係(家族を含め)・仕事・勉強・趣味……etcと多方面にわたって赤裸々に綴られた彼女たちの本音。

「うわっ、その若さでそんなしんどい経験をしたの?」
「性に対するそんな考え方もあるのか」
「常識では考えられない親子関係もあるんだ」

驚き・同情・嫌悪・侮蔑・感心・感動・学び・目からウロコ。どの作品を読んでも心が揺さぶられ、考えさせられたのだ。

なかには

「そうそう、私も若い頃同じようなこと悩んでたわ」
「フーン、令和の時代もそこは閉鎖的なんだねえ」

なんて苦笑したり、腹を立てたり。

つまり「かがみよかがみ」は私にとって、若い女性の視点を通して現代社会を知る、まさに「かがみ的存在」。
年齢制限ナシのテーマでは、子育て世代や同年代らしき女性の本音に共感したり、首をかしげたり。自分自身やこれまで歩んできた人生に「かがみ」を当てるきっかけにもなった。

◎          ◎

そうして、ようやく腑に落ちたのだ。ナゼ「18~29歳まで」と年齢制限が設けられていたのか。

生きやすいとはいえぬ現代社会を、悩みながら迷いながら切り拓いていく若い女性たち。
彼女たちが綴る等身大の人生は、「社会」という列車を動かす燃料となり、その燃えさかる炎は決して消えることなく、列車を前へ押し進めていく。

「私は変わらない、社会を変える」。

このコンセプトはそんな彼女たちへ贈るエールであり、託された宿題なのだろう。

傷つき 泣き 倒れてもふたたび立ち上がり 歩き出して 女ゆえの差別も 理不尽さも 哀しみも貴女たちなら 時間をかけて いつかきっと変えられる、と。

私も、若くはないけれど、この国に生きる女性として「かがみすと」の一員として、一緒に社会を変えていきたい。めいいっぱいシッポを振りながら。