生まれた時から私は白かった。

「こんな白い子は滅多にないです」
出産直後、母は看護師さんからこう言われたらしい。また最近母から、私が赤ちゃんの頃あまりにも白く今にも壊れそうだからと抱っこするのが怖かった、と聞いた。

小学校でも中学高校でも大学に通っている今でも、「白さ」は私につきまとってくる。そのたびに私は、「わたしって白いの?」「『白さ』ってなんなの?」と、鏡に映る自分とにらめっこしながら、これらの疑問とにらめっこをしていた。

欠点、カバーできてる?

しかし、このループとはまた別の「白さ」による疑問が私の中に生まれた。

それは、「色白は七難隠す」という言葉への問いである。
色白の女の子は、様々な欠点をカバーできるというこの言葉。私が聞いたことのある「七難」を挙げていくと、顔立ちの不気味さ・性格のキツさ・暮らしの乱れ・年をとることの恐怖・運の悪さ・色気のなさ・みすぼらしさ……だろうか。これらを色白がカバーする、というのだ。なるほど、随分とお得なものを持ったものだ、と言いたくなったのだが我が身に返って思った。

ちょっと待って、そんなわけない。

むしろ全部色白でカバーされた覚えはないかもしれない、と。
それぞれ振り返ってみた。

顔立ちの不気味さ: むしろこの色白のせいで、フラッシュの光で自分の顔がわからない写真が数多く生成されきたことの方が多い。友人からは「可愛く映れたらいいのに」「写りが悪いね」というような言葉をよく言われ、時々傷つきもした。顔立ちに問題があるのかもしれないが、白い肌が膨張して見える、という影響もあるのではないだろうか。

性格のキツさ: 第一印象は変わることはないのは事実なので、良い印象を与えているのならお得感あるのかもしれない。だけど、「白さ」ゆえのほんわかと見られる印象から「ゆきは○○だよね〜」と自分の性格を決めつけられたように感じたことは少なくはない。白さでキツさを隠せているとも言えるが、そのかわりに「かなり独特」と言われる「私らしさ」すら、白さが消してしまっているようにも思うのだ。

暮らしの乱れ: 規律ある生活を送っているように「見える」だけなので、違う場合はすぐにこのイメージは崩れるだろう。ただ、私として言いたいのは、白いがゆえに顔に出るニキビは目立つし、体調の悪化は青白くなることであらわれる。

年をとることの恐怖: 母から以前、肌のケアに無頓着な私に対して、「白い肌はシミが目立つからケアをしないと将来大変なことになるわよ」と言われた。なるほど、シミが目立つという難点が白い肌にはあり、隠すことができるとは必ずしも言えないのではないかと思った。

運の悪さ: なぜ運の悪さを肌の白さによって隠すことができるのだろうか、これに関しては印象によるのではないだろうか。運がいいように見えるのはありがたいことかもしれないが、少なくとも私は「ゆきは運良さそう」とは言われたことはないし...。

色気のなさ: 色気って、どこから出てくるんだろう。色気に関連した言葉を言われたことが一度もないな...。

みすぼらしさ: 友人から「みすぼらしい」身なりだと指摘されたことがあって、自分にも問題が大ありなのだが自分で気を使っていてもやっぱりダメな時はあるのだろうかと思う。大学生になって言われることはなくなったので大分改善されたと思うが…...。

こうやって考えたうちに出た私のこの問題への回答は
「色白は七難隠す」とは必ずしも言えない、ということだ。もちろん恩恵も受けていることもないとは言えないけど。七難を考えていたらこの白さって雪のように儚いものだな。

ペンネーム:ゆき

毎日勉強に追われている女子大生です。ここ最近、忙しさの魔法にかかって大切なものを見落としている気がしています。何気ない日々と人との繋がりを大切にして、毎日を綺麗に軽やかに生きたいです。