さて、私に「彼氏」はできるのか。

やー、たぶん魔法の鏡に聞いたところで鏡も私に気を使ったりして… 急になにも喋らなくなりそう。 記憶に新しい作品として、ディズニーが贈る「アナと雪の女王」は 日本でも非常に大きな話題を呼んだ。 名誉あるディズニープリンセスとして今まで数々の女性たちが描かれてきたが アナ雪の結末は特に例外。明るく気さく、サンドイッチが好きなんて一見 庶民派っぽい白馬の王子が実は悪者で、しかもハッピーエンドに絶対必須な「真実の愛」が、今回においては姉妹のラブパワーというシナリオ作り。

来たかー、女だけで解決の時代。 最近は多種多様な女性像が推され始めているし…これは近い将来、独り身を謳歌するプリンセスが現れてもおかしくないぞ。 「王子なんていらない。 歌と空、鳥と風があれば充分よ」とか。

1095日のJK時代、私は誰のために戦ったのか…!

しかし。ハッキリいうけど私は、彼氏ほしいですよ!王子欲しい! アリアナヘアーにピンクのカーディガンで、田舎道をバカ笑いして歩いたJK時代。 あの時もそういや彼氏はいなかった。(1095日もあったのに!時間にしたら26280時間!)
「君は誰のために毎日髪を巻き、香水を選び、ネイルをし、怖い先生に怒られるリスクに出てまでピンクのカーディガンをママに買ってもらったのだ」と風紀委員会に怒られてもこれでは文句が言えないではないか。

思い出した。サッカー部の先輩。雪が散らつく空の下、壮大に告白したわりに軽快にフラれたあの事件があった!で、挙げ句の果てには携帯が壊れたという凄い理由で連絡を絶たれ、結局バレンタインにあげる予定だったケーキはクラスの巻き髪仲間が食べてくれたんだった。しかしまぁそんな先輩にも、「夏だし、久々にご飯食べに行かない?」なんて誘われたら「携帯直ったんですね」なんぞ言えずホイホイとついていくのだろうな。

今は女子校。同じフリーでも、私のように実は乙女なのに好き好んでおっさんの毛皮をかぶって生きている子もいれば、見た目は白雪姫なのに中身が毒リンゴよりおっかない子もいる(※これは本当に怖い)

新プリンセス、やめられないんだよね~

しかしみんな、そろいもそろって実に陽気な女性群。 やはり時代も「ありのままで」だし、なんだか彼氏がいないことをこれ幸いと謳っているように生き生きとしている。そして、結局わたしもその一味。 あれれ、彼氏できないんですって悩みを赤裸々に綴ろうと思ってたのに。これじゃ、そもそも悩んでないじゃないの?と痛いところを突かれてしまいそうだ。

でもそう、“魔法の鏡に問いかける前に既に答えはわかっている“もので、彼氏ができないことを悩む20代というのは、逆に現代においてもはや希少な存在なのかも。 実際この新プリンセス・スタイル、なかなかやめられない魅力があるのも事実。 彼氏欲しいと言ってる割には、当の本人があっけらかんとしていて、益々「これでいいのだ」と20年後も突き進む自分を、鏡はちゃんと見据えてるってわけだ。 ま、私は彼氏ほしいけどね。何度でも言います。

JK時代が「ニュー・プリンセス」ならば、大学ライフは「ニュー・プリンセス2」として絶賛公開中といったところか。しかしどうもこの物語 進展がない。そうだな「ニュー・プリンセス・ザ ファイナル」の頃には王子っぽい人の1人でも登場してくれないと、そろそろ全米から見放されそうだわ私。

その日に向け、魔法の鏡には聞いておきたい。
私に彼氏はできるのか?

「彼氏、できそうなのに」 このタイプのなぐさめ型アドバイスは、正直もうおなかいっぱいだな。 それはね、なんの解決にもならないんです。お願いだから私に彼氏ができない理由を1分本気で考えて頂けたら…ハイハイ黙ります。 「おもしろいのにね」いや、それも問題です。私芸人志望じゃないんです。 せめて「可愛いのにね」とか、そういうこと言って慰めて。