小学生の夏休みでも一日中家に籠りきるという経験をした事がない

未だかつてこんなに家に籠もっていた事があっただろうか。29年間生きてきて初めての経験だ。(約30年と同じじゃないかという声が聞こえてきそうだが、ここは敢えて29年間と言い張らせて頂く。)小学生の夏休みでも一日中家に籠りきるという経験をした事がない。しかも自らの意志ではなく国からの要請で自宅待機するのは誰もが初めてだろう。多くの企業がリモートワーク化し、家で仕事をしオンラインで会議を行っている。私の職場でも一部を除いてリモートワークが進み、皆在宅で仕事をしている。因みに私は一部に該当するため、出勤を余儀なくされているが、たまった有給を消化しているため、飛び飛びながらも2~3日の連休がある状況だ。

家に居続けると自分がダメ人間になるのではと、連休がくるのが恐ろしかった

在宅ワークに憧れているものの、私自身は環境が変わらないとオンとオフの切り替えができないタイプなため、在宅に向いていない。更に性格は内気でインドア派なのに家でじっとしているとダメな気がして外へ出たくてしょうがなくなるというめんどくさい女であるから始末が悪い。

休日は溜まりに溜まった洗濯物や掃除をこなし、レンジでチンするだけでいいおかず類をスーパーで買い込み、平日に録画した番組を観て1日が終わる。連休の2日目は、天気が良ければ外へ出てデパートや本屋へ赴き当てもなく彷徨い歩き、何となく充実した気分を味わうという過ごし方をしてきた。

しかし、今はコロナウィルスの影響で必要最低限の外出しかできない。私の唯一の暇つぶし先だったデパートも本屋も閉まっているため、休日の暇つぶしが何もできない。先ほどもお伝えしたように1日中家に居続けると自分がダメ人間なのではないかという被害妄想をし始めるため、私は当初連休がくるのが恐ろしかった。スマホのアプリゲームやドラマを軒並み録画して観ようとしたが、ゲームのセンスがとにかくないため、RPGや戦略系は性に合わず、頭の回転も遅いためパズルや推理系もダメ、ドラマに至っては非常に申し訳ないが興味が一切湧かず、観ずに履歴から削除してしまった。やはり毎週世界ふしぎ発見と僕らの時代以外観ない私にはドラマというストーリー性のある内容は早すぎたようだ。

新たな挑戦した動画視聴が自宅待機中の私のオアシスに

まずい、非常にまずい、最初はゲームやドラマ鑑賞に挑戦する事で暇がつぶせたものの次を全く考えていない。悶々と悩む私に救いの手を差し伸べてくれたのは、同僚が観ていたYouTube動画である。ゲーマーな彼女によるとゲーム実況なるものがYouTubeにはあるらしい。ゲーム実況には興味がないが、話を聞く中でyoutubeに対するイメージが私と彼女との間に大分差があるように感じた。私はYouTubeという存在こそ知るものの、ほとんど拝見した事がなく実態をよく知らないままだった。私のYouTubeに対するイメージは、テンションの高い若者達が好き勝手に馬鹿騒ぎしている動画をアップし、自分達だけで楽しんでいるという大分古い情報のもとに構築されたものだった。

ただ試しに観せてもらった動画は淡々とゲームを攻略していく様子を撮影しているものであり、他人様に迷惑をかけている様子は一切ない。これはありかもしれない、と若干上から目線で私はYouTubeに興味を持った。

早速、帰宅して自宅のWi-Fiに接続しアプリを立ち上げてみる。ファミリー系や芸人のライブネタ、料理系から動物まで非常にバラエティに富んでおり、どれも想像以上にクオリティが高い。

YouTubeの面白さは多種多様な人間が動画を配信しているところだろう。だからこそ必ず自分に合うものが見つかるのだ。YouTube万歳。砂漠に着の身着のまま放り出された私の目の前に突如として現れたオアシス。今日も今日とて私は登録チャンネルの最新動画をチェックする。鬱々としていたお籠りも嬉々として自ら進んで待機できるようになった。