SNSがあるから良かったことは、離れていても人と瞬時にやり取りができる事、これに尽きると思う。

一日一日が手のひらのスマホに収まる、オンライン同窓会である

学生時代の友人。様々な業種で働き、様々な趣味、価値観を持つ友人たちの日常をタイムラインから垣間見ることができる。あ、今この人はこのゲームにハマってるんだなとか、あの人はあのアーティストが好きなんだなとか。反対に、仕事で上手くいかない事があっただとか、腹立つ事があっただとか。かつて同じ学校にいた仲間たちがそれぞれの場所で生きて悩んで生活しているのが分かり、自分も頑張ろうと元気もらえる事もしばしば。一日一日が手のひらのスマホに収まる、オンライン同窓会である。そして直接顔を見たくなったり、積り積もった話をしたくなると誰からともなく「遊ぼう」「ご飯行こう」「飲もう」と連絡を取り合うのである。

趣味の話。好きな俳優さんのいかにカッコいいかについて有り余る愛が溢れすぎたツイートは、私の他に熱烈なファンがおらず、ましてや異性の友人(中にはかつて片思いしていた人も数人…)もいるプライベートのアカウントだと完全に引かれてしまう。しかし、趣味のアカウントで同じ内容を呟くと全国各地にいる同志からコメントやいいねが続々とついてくる。そして、思う存分語る事が出来る。各企業タイアップのキャンペーンにも堂々と何度でも参加できる。

その方のアイコンから後光が差し、女神様が現れたと思った

先日、こんな出来事があった。上記の俳優さん関連の先着順、数量限定の特典付きのグッズを購入しようとした時、通常なら購入完了画面が表示された後に確認メールがすぐ届くはずなのに一向に来ない。何度も受信メールボックスを更新しても新規メールは無い。え?これ、ちゃんと買えてる?こんな夜中に迷っている間に売り切れて買えなかったらどうしよう…!?タイムラインを確認すると続々と「すぐ買えた!」「購入完了」「やったー買えた」とコメントがずらずら出てくる。焦る気持ちをどうにか抑えて投稿する。「購入完了画面出てきたけど確認メール来ない…。問い合わせメールも送ったけど、買えた方、メール返信ちゃんと来ましたか?」数分後、1件の返信が届いた。「すぐに来ましたよ。(中略)心配ですね。問い合わせ回答は明日になりますかね。無事予約できてることを祈っております」その方のアイコンから後光が差し、女神様が現れたと思った。世の中には顔も本名も知らないのに、こんなに親切丁寧な方がいるのかと。感動のあまり半泣きになりながらパソコンのメールフォルダを一つずつクリックする。そして、涙が引っ込んだ。迷惑メールフォルダに1時間弱探していた確認メールがあった。それもちゃんと購入完了手続きが終わってすぐに届いてる。…とりあえず、女神様にお礼と報告をしよう。女神様はやはり女神様で「良かったです。いい夢見てね~」と返して下さった。業者さんの問い合わせメールの件も朝になったら謝罪の連絡をしよう、と眠りについた。

楽しませたり喜ばせたり元気づけたり、良いことに使いたい

これは私の確認不足により引き起こしたしょうもないトラブルに他人を巻き込んでしまった迷惑極まりない出来事である。しかし、ここにSNSがなければ私は女神様に出会わずに一人泣き寝入りするか、渋々もう1つ買い直して後々2つ分の代金を払わなければならなかったかもしれない。少なくとも、女神様のおかげで私はパニック状態から心の平穏を取り戻せた。その後確認メールが見つからなくても、一人で悶々と抱え込むよりずっとずっとマシだ。つくづく女神様とSNSを発明した人に感謝である。

離れていても人と瞬時にやり取りができること。それはメリットデメリットどちらもある諸刃の剣だ。どうせ使うのなら他人を傷つけたり、犯罪に巻き込んだり悪いことよりも、楽しませたり喜ばせたり元気づけたり良いことに使いたい。そう思いながら今日も手のひらの中で友人たちの呟きを眺め、某俳優さんのオタク活動に勤しむ日々である。