拝啓ぱんだちゃん。
久しぶり。元気ですか?今、どこで何をしていますか?
出会った頃からもう6、7年経って、私は今大学生だけど、ぱんだちゃんはもう働いているのかな。スイーツの専門学校へは進学できたのかな。
私、ぱんだちゃんのこと何にも知らないね。お互い様か。きっとぱんだちゃんも、私のこと何にも知らない。
だって私たちが一緒に過ごしたのって、中学生のあの2年間だけだもの。ぱんだちゃんが忙しくなって、私も高校受験で、Twitterをしている時間が無くなったから。
今日は少しだけ、昔話をしてもいいかな。ぱんだちゃんと出会うまえの私と、出会ったあとの私の話。
好きなことをするのがこんなにも生きづらいのかって、思ってた
ぱんだちゃんにも言ったことあるよね、私はすごく田舎で育って。小学校はたしか全校生徒数が100人ぎりぎりだった。
これは言ってなかったけど、その狭い狭い世界で、私はいじめられてたの。上履きを隠されるとかベタなこともされた。
でもね、もう殆ど覚えていないんだよね。本能が私の心を守るために、いわゆる防衛本能で記憶を消しちゃってるんだよね。おかげで卒業アルバムを見ても、ちっとも面白くない。だって覚えていないんもん。
運動が得意でないとか、太っているとか、そういうめっちゃくちゃしょうもないことでいじめられてた。それでも友達はいたけど、やっぱり学校は嫌いだった。
だって、本を読んでいるだけで、絵を描いているだけで、根暗と大声で指を差されるんだ。目の前で絵を笑われることもあった。
私はあいつらに1ミリも迷惑かけていないのに、あいつらは私にこんなにも迷惑をかけている。それでもあいつらの方が、のびのびと生きていて。私はひどく、生きづらかった。好きなことをするのがこんなにも生きづらいのかって、思ってた。
Twitterで、見様見真似のタグとかで、ぱんだちゃんに出会った
そう、それで、中学2年生のとき、携帯を買ってもらったの。ガラケーだったけど、ネットにも繋がったからなんでもできた。
そこで、ぱんだちゃんに出会ったんだよね。Twitterで、なんか見様見真似のタグとかで。
ぱんだちゃんのこと、歳と、なんか中部地方のほうに住んでるってだけしか知らない。たぶんあなたも私のこと、そのくらいしか知らないと思う。
ほんとに何にも知らないね。でも私は、あなたのこと初めての、本当の友達だと思ってるの。
SNSで、本当の友達に出会えた
Twitterがなかったら、ぱんだちゃんに出会えなかったら、今の私じゃなかっただろうと思う。今の、私自身でそこそこ自信を持てている私に。
好きな絵を描いていても、好きなアイドルを応援していても、後ろ指さされない世界があるって知らなかった。それどころか、おんなじ趣味の、同い年の子とあんなに楽しく喋れる世界があるなんて。
Twitterをしていなかったら、私はいつか、あの狭い世界で生きていくために、好きなことを失っていただろうと思う。今私を構成している、絵をSNS上で公開することとか、好きなモノや人を全力で応援することとか。それを私に残してくれたのは、SNSであり、ぱんだちゃんなんだよ。
SNSで、本当の友達に出会えた。外見とかステータスとか、スポーツクラブに入っているいないとか、そういうことどうでも良しな友達。あの狭い世界では出会えなかった、本当の友達。
私の人生を楽しくしてくれてありがとう
ぱんだちゃん、いまどこでなにをしていますか。
私はもうアイドルオタクやめちゃったけど、ぱんだちゃんの好きな人はまだあの頃と一緒なのかな。私を救ってくれた貴女が、この広い世界で、健やかに生きていてくれたらいいな。ぱんだちゃんのおかげで、世界の広さを知ったよ。自分のことが好きになったよ。大人になって、Twitterの友達と会ったり旅行したりもしたよ。
ぱんだちゃん、私と出会ってくれてありがとう。そして、私の人生を楽しくしてくれてありがとう。どうか、お体には気をつけて。私の大好きな友達へ。敬具。