「日焼けはいけない」に染まらなかった、あの頃の私に感謝!

小学生の頃は、夏休み明けに誰が一番日焼けしているかを競っていた。負けず嫌いの私は勉強の時間であった午前中も、カーテンを開けてたっぷりと朝日を浴びながら一生懸命に日焼けした。
しかし中学校に進学し、地元の有名なお嬢様学校に入ると、状況が一変する。
中学生ながら、高度な美容知識を身につけた同級生たちのアドバイスによると、日焼けは絶対悪で、白く血管が透けるように薄い肌をどんな手を使っても死守しなくてはいけないという。そうするのが美しい女性になるための必須条件で、すでに私は日差しという毒をふんだんに浴びてしまっているから、一層の努力が必要だとも言われた。中学生になった途端、他校の女性から羨望の眼差しを浴びる制服に堂々と身を通すため私はマネキンとしての努力を始めなくてはいけないことを悟った。
日焼け止めを塗ったのも、夏場に長袖を着たのも、この年が初めてだった。
大好きな海もプールもTシャツを着用し、得意な体育でもなるべく日陰でサボるようにした。夏が早く終わらないかと強く願った。しかし、雑な性格の私には、当然のように大した結果もついてこず、自分なりには努力をしたのに、半端に白い仕上がりにしか到達できなかった。二流のマネキンとして申し訳なさそうに通学した。
そこで落ち込みながらも嫌気がさし、そもそもなぜ日焼けがいけないのか?改めて調べてみた。世間の意見を集約したところ、その多くが「将来シミ、肌トラブルになる」ということと「今白い肌の方が流行っているから」だった。
その時に私が思ったのは、「なるほど。」ではなく、「あほらし。」である。
生きてるかも死んでいるかも分からない、幸せかも不幸かも分からない“将来”のために、ライフスタイルを捻じ曲げて、10代の貴重な夏を棒にふるなんて!私はそうは絶対になりたくない!型にはまった美しさなど私には必要ない!この経験が、私の人生観に大きく影響している。
どんなことであっても、まずは自分の価値判断フィルターを通す。その上でフラットに何をして何をしないか自分で決める。そうしなくては、流され我慢して、結果誰かのせいにして生きていく人間になってしまう。
その誓いは今も廃れず、私は大好きな世界中のリゾートでたっぷりと日焼けすることが、人生で3本の指に入るストレス解消法になっている。そして、そんな黒々とした自己主張の強い私をイケてる!と評価してくれる素敵な友人や夫に恵まれて暮らすことができている。
あの頃の“将来”の私は、英断に大変感謝しているよ。おかげさまで、人生がとっても刺激的だから!
かがみよかがみは「私は変わらない、社会を変える」をコンセプトにしたエッセイ投稿メディアです。
「私」が持つ違和感を持ち寄り、社会を変えるムーブメントをつくっていくことが目標です。
恋愛やキャリアなど個人的な経験と、Metooやジェンダーなどの社会的関心が混ざり合ったエッセイやコラム、インタビューを配信しています。