学生時代は大阪の芸術大学で映画を学び、監督脚本をしていました。
いつか映画業界で働くんだ!という夢があり、就職活動も東京の映画会社に的を絞って探していましたが、技術職以外の「企画」「脚本」で募集している企業は少なく、また募集があっても経験者のみ対象の企業がほとんど。

未経験で募集している会社に履歴書を送ると電話がかかってきましたが、その内容は「ぜひ面接したいのだけど、うちの会社では東京で一人暮らしできるほどのお給料を出してあげられません」とのこと。自分の夢を仕事にして生きていく事の難しさを痛感しました。

私は夢を追うより「心と体×お金」のバランスが取れた仕事を選んだ

とりあえず、バイトをしながら自主制作で映画を撮ったり、脚本を書いてコンテストでの受賞を目指し、フリーで活動するという方法もあったけど、それっていつになったら“自分のしたい事”で生きていけるだけのお金を稼げるの?と不安の方が強かった。
夢を追うよりも、金銭的に早く自立したいという気持ちが強くなりました。

それから、せめて映像に関わる仕事をしたいと思いCMの制作会社に勤めましたが、朝9時半出社の深夜3時半退勤に耐えられず(どういうこと?)、半年で辞めてしまいました。
お給料は映像業界の中では20万円を超え、入社してすぐにしては高い方だったと思います。

でも、毎日辛くて、週末は天井をずっと見つめるような生活でした。生理も来なくなって、この頃はお給料なんか貰っても「自分へのご褒美を買うぞ♪」なんて気分にもなれない。

紆余曲折あり、その後も何度か転職して、今はアダルトグッズメーカーで働いています。もともと映画も官能的な作品が好きなので、自分の中の“好き”が少しでもある業種で、“心と体×お金”のバランスが取れた仕事をすることが自分には合っているのだと感じています。

学生の頃に夢見ていた東京住みOL・26歳とは違うけど…

でも、学生の頃に思い描いていた26歳とは金銭的にかなり違うな、と感じています。26歳はもう大人の女だから、経済的にも安定して、デパートの上の階(高級ブランド)で綺麗な服を買えると思っていたし、給料日前だから晩御飯は納豆にしよう…なんて生活してると思わなかった(笑)。

お給料が安いわけではないけれど、女の一人暮らしは“妥協点”をどこにするかが難しい。安すぎる家も選べないし(1階に住んでたころは、私の家のベランダを見ながら缶チューハイを飲むのを日課にしてるおじさんがいた)オートロックがないと怖い。“最低限”を守るために、自由に使えるお金を残せないのが現状だと感じています(最近は男性もそういう人多いと思う)。

将来の為の貯金を私は全然できていません。結婚して子供がいる友人もいるし、きっと環境によって大きく違うと思うのですが…リアルな東京住みOL26歳は、デパートの高級ブランドに行っても、それに似た安くて可愛い服をプチプラで見つける方が嬉しい(関西人なのもあるかも)!

自分に合った生き方をしていくことが、1番心地いいと思う

お金は生きていくうえで必要不可欠。上手にバランスをとって付き合っていくのは、とても難しい。たくさんあるほど嬉しい! けど、心と体の無茶はしたくないし、時間があってもお金が無いのは、焦燥感に襲われる。

今は、自分が何を優先したいのか取捨選択して、自分に合った生き方をしていくのが1番良いと思っています。

学生時代、お金が無くても自分の夢に向かって頑張っていた時間は、凄く楽しくて充実していました。でも、歳は重ねていくし、自分の中の優先事項も変わってくるのだと思います。

映画監督にはなれなかったけれど、今は仕事中に“官能的”な言葉が飛び交う職場をとても気に入っています。でも、年末は宝くじを買うつもりです!