私がミスコンに挑んだ理由。それは、元カレへの復讐と日本文化の魅力を世界に広めたかったからだ。
よくミスコンに参加した理由として挙げられるのが、自分に自信をつけたいからだとか、自分がどこまでのレベルまで行けるのか挑戦したかったからなど。いつも周りからミスコンに出なよと進められてきた綺麗な子達からは、いかにも優等生らしい回答が出てくるだろう。私はそんな人たちの参加理由とは少し違っていたのかもしれない。

ここは私のいる世界じゃない、場違いだ、という思いがあった

私がミスコンに参加して感じた事、それは、やっぱり誰もが自分が好きである事と自分が誰よりも可愛い、綺麗だという自信に満ち溢れているのを感じた。そして参加した理由も、ただ自分が有名になり、インスタのフォロワーを稼いで自己肯定感を高めたい人が多い気がした。(そうでない方も沢山いますよ、もちろん)
理由はどうであれ、私がミスコンファイナリストとして活動している間、常に心の中にここは私のいる世界じゃない。場違いだ。という思いがあった。

私はただただ自分の好きな事を多くの人に知ってもらいたかったから、ミスコンという大きな媒体を使い、自分から人に発信をしていきたかった。一応明確な目標を持っていたから、幸いにもミスコンでの経験はかけがえのない宝物となった私だが、周りの出場者は勿論グランプリ狙いの子しかいなかった。というか、ミスコンに出るからにはグランプリを取らなくてはいけないとでもいうような空気はあった。だからだろう、他の出場者はちゃんとスポンサーの製品をSNSで一日一回はPRをしていた。使ったことのない商品を。。

そしてコンテスト会場内では、常にミスコン主催者のご機嫌取り。貪欲な子は、荒れ地の魔女よりも怖いポージングのおばさん先生にまで媚を売っていた。ここは部活かよ、と思いながら、毎日私は深呼吸も出来ないまま、この場違いな空気から一刻も早く逃げたいと感じていた。

自分をPRするために、自分の為に何かをしなければならない

だが、ミスコンファイナリストに選ばれてから数週間経った後、エステサロンを開いている親戚の叔母さんからこんな言葉をもらった。
「ミスコンは、美少女コンテストじゃないの。だから自分をPRするために、個人個人が自分の為に何かをしなければならないの。美少女コンテストにはバックに大きい事務所があるから、何かしら賞を取ればマネージャーだってつく。それで自分の出来ること以上の事をサポートしてくれる。だけどミスコンは何か賞を取っても事務所に入らない限りずっと一人で自分自身をサポートしなければならないのよ。自分を一人でPRするって、結構大変だけど、やってみるととっても強くなると思うなあ」

その言葉は心の奥底に響いた。だって私は今まで自分をPRしてきたことなんてあったのだろうか。化粧だっていつも見様見真似だったし、食事管理は勿論なし、運動だって目的無くたまにする程度だった。話し方だって、とりあえず愛想よく振舞えるよう、初めての人と会う時や電話越しでは声を少し高くするくらいの事しか気を使っていなかった。

その言葉を聞いてから私は、気合を入れた。入れたと言っても、自分で自分をプロデュースしなくてはと言う気持ちになった。メイクの仕方や自分に合う色、歩き方や普段の姿勢、そしてスピーチ選考に向けて活舌矯正までした。コンテスト本番までの毎日は、辛かった。思い出したくないくらい孤独で、自分との戦いだった。今思い出してもしょうがない。ただ、今だから言える事。それは、コンテストの結果がどうであれ、自分が自分をプロデュースする時にどれくらい本気で自分と向き合ったか、それがコンテスト本番の度胸に繋がる。そして、コンテスト後もその向き合った時間は消えない。自分の自信に繋がるのだろう。

自分のこれまでの経験が、ステージ上の自分の支えになる

コンテスト終わって出た答え。それは、自分との闘いに勝てるか勝てないか、それが試されてるのがミスコンテストなのだろうと私は実感した。勿論応援してくれた友達、家族、周りの人はたくさんいた。だが、ステージに立つときは結局自分1人。ステージ上で一人になった時に何が支えとなるか。それは、自分がしてきた経験だ。ステージに上がるまでに、何をしてきたのかが糧となる。
それはどんな手段だって良い。審査員に媚び売るのだってよし、スポンサーを味方につけるのだってよし、もちろんSNSのフォロワーを増やすのだって立派な努力だ。
だって所詮、評価されるのはステージ上での自分、一人なのだから。