私が自分にコンプレックスを抱き、整形したいと強く思うようになったのは高校生の時、ミスコンがあってからだ。

ミスコン、それは誰が美しいかを決める女の戦場の場である。名前をアンケートに書くという単純なものだったが私は良くも悪くもアンケートに名前を書かれてしまった。結果は4位。1位と2位のみ表彰されるのだ。私は今までありがたい事に顔にコンプレックスを抱いたことはなかった。しかし4位とあえて順位をつけられたことにより、あの子より劣ってるんだ、可愛くないんだと思うようになってしまった。

ミスコンを境にどんどん自分を嫌いになっていった

それまで自分では気にいっていた目も、それほど低くないと思っていた鼻も、引き締まっていると思っていた口もなにもかもダメな気がしてきた。鼻がもう少し高ければ、目があと少し大きかったら、口がもう少し整っていたら、一度気になりだすと止まらない。コンプレックスを感じだしたら止まらなくなってしまった。スタイルまで気になりだした。
痩せてたら一位になれたかも、過度なダイエットも始めた。お昼ご飯はパイナップルだけにしたこともあった。勉強が忙しくてストレスで痩せられないし、整形はすぐにできない。好きだった自分がどんどん嫌いになっていく。

私は整形しなくちゃいけないの?救ってくれたのは、好きな人の一言

ミスコンなんてなくなればいいのに、そう強く思った。高校を卒業したもののコンプレックスは消えなかった。大学生になっても整形について考え、整形外科のホームページや整形に関する情報をひたすら集めた。ふと思う。自分は何やってるんだろう。虚しくなる。顔を変える必要が本当にあるのかとも思った。

そんな時私はひとりの男性に出会い、優しさに惹かれ好きになった。そんな私を救ってくれたのが好きな人からもらった一言だった。「十分可愛いよ!俺は素敵だと思うけどな。」私は今まで何をそんなに気にしていたんだろう、、我に返った瞬間だった。好きな人が褒めてくれる。整形する必要なんてあるだろうか?

「鏡よ鏡……」その問いに答えるのは他人じゃなくて自分自身

男の子は悪気もなくブスと言ったりする。その一言は女の子にとっては包丁で刺されたように深い傷が残り消えることはないのだ。言葉は時にはナイフにもなってしまう。でも使い方を間違えなければ救うこともできる。

でも最終的な判断は、美しさを認めてあげるのは自分しかいないのだ。鏡よ鏡、美しいのは誰?それは鏡の前のあなたなのである。鏡には紛れもなくあなたが映っている。自分で自分を認めるってめちゃくちゃ難しい。どんなに頑張ってもあの子にはなれない。あの子だってどんなに頑張っても私にはなれないのだ。大事なことは目に見えない。今日も私として生きていく。
あの子もどんな子もなれない、わたしだけのわたしとして。