総理大臣って、勤める期間はそんなに長くない。数年後には、別の人が総理大臣になっている可能性が高い。それでも出来るだけ時代の変化を受け止めて、結果長く勤めるような努力が必要ではないだろうか。国民の声を無視しない傾聴の姿勢、時にはこだわりを捨てる勇気が、今の世の中を引っ張るリーダーの素質として求められていると思う。

総理大臣になったら、私の直した方が良い点などを国民に調査します!

だから私が総理大臣だったら、国民の皆さんに教えて欲しい。「私は今、こんな生活をしているよ。あなたのこういうところが好きで、こういうところは直した方が良いよ」と。なので選挙後、定期的に公式な調査をして、「あなたは今どんな生活をしていますか。私のどういうところが好きで、どういうところを直した方がいいですか」と聞きたい。

選ばれたからには、自分の評価された部分を武器にしたい。それは当たり前。私はそれに加えて、改善すべきことはしっかり改めたいと思う。武器を磨く上で、同時に改められない部分は、その部分を補える仕組み作りをしたい。最先端の知識や技術を持つ専門家をチームに加えて、変化する組織を率いたい。

今の政治家は、自分の事を好きな人達と、自分の事を嫌いな人達が真っ二つに別れて存在しているように国民を扱っている気がする。そのため、就任してから任期を終える最後まで、既存の支持者の声に引っ張られてしまうのではないだろうか。

もちろん0:100、100:0の主張も世の中には存在するが、大半はそうではないと思う。政策の中で優先してほしいポイントは人それぞれで、その時々で違うものだ。というか、部分部分で評価せずに全人格を否定したりただ辞めろと叫んだりするのがまかり通るこの不毛な現状は、いつか誰かが改善しなければならない。

今必要なのは、速やかに国民の意見を吸い上げる新しい民主主義の形

この終わりの見えないコロナ禍においても、政治家に対して「これはありがたかったよ」や「あれはいらなかったよ」と私たちが公式に言えるチャンスは未だ来ていない。
snsの声は世間の声ではないし、メディアの報道だって一部を切り取った物にすぎない。それなのに、その氷山の一角を全体像だと捉えている政治家のなんと多いことか。

正しい判断をしたとしても適切な手段でスピーディーに動くのは難しい。謝った判断をした際に謝罪して即座に軌道修正するのはもっと難しい。
正しい判断と政策の運営は、政治家の能力や気質に加えて、世間の声がまっすぐ届く環境が整って初めて可能になるのだと思う。

また今後、コロナの波やそれとは異なる非常事態が訪れた時の為に、今、すべきことは、国民の思いを広くスピーディーに吸い上げるシステム作りではないだろうか。デモ待ち?署名待ち?もうそれ、やめましょうよ。新しい民主主義の形を構築しなくてはならない。

生き方が多様化する現代において、名前や党を選ぶだけの選挙制度には限界が来ている気がする。好きではないけど他よりマシだから投票、よくわからないけど取り敢えず投票。それでは選ぶ責任も、選ばれた責任も、果たし続けることができない。熱狂的支持者と熱狂的アンチの狭間で暮らす、冷えきった90%の声を、私は聞きたいのだ。

国民からの叱咤激励を受けながら、総理大臣として成長し続けたい

私は総理大臣として成長し続けるために一流の専門家をチームに加えて学び続けるし、国民にも見放さず育成し続けてほしい。正しい道を歩んでいるときは背中を押してほしい。間違った道を選んだときは大声で引き留めてほしい。

国民に甘えすぎだろうか。いやでも私は、総理大臣が最初から何でも出来るスーパーマンの様な存在なら、国民は信用できないと思う。だって、そんなものはAIに政治を委ねるのと同じことだから。
それよりも、目的のために自分を鍛えて他者からも鍛えられて成長する人の方が、よっぽど人間的でしなやかで、頼れる存在になり得ると思うのだ。

時代を見極める柔軟性と感情の伝わる素直さが、今、総理大臣には求められている。だから教えて。私が総理大臣になったら、「私は今、こんな生活をしているよ。あなたのこういうところが好きで、こういうところは直した方が良いよ」と。