#2「私たちが同棲するにあたってのあれこれ」 つくし編
皆さんこんにちは。どさんこつくしです。
先月から始まった妻シオリーヌとの夫婦連載。第一回はいろんな方から反応を頂き、未だに嬉しいような恥ずかしいような複雑な気持ちでいっぱいです。
ただ結婚生活についてそれぞれの視点から語られるものって案外見掛けないので、自分自身も楽しみながら、これを読んでくださっている皆さんとパートナーシップや家庭運営のあれこれを考えていけたらと思っています。
第二回は「私たちが同棲するにあたってのあれこれ」についてのお話です。
「男だからちゃんと稼がないと……」と思いながら踏み切った生活
付き合い始めてしばらく経った頃、住み込みアルバイトの任期満了が迫っていた私は、次の仕事とお家を探していました。何となく相手の家へ通いやすい範囲で引越し先を探していたものの、中々良い条件に巡り会えずにいたところ、彼女から同棲について声をかけてもらいました。
毎日詩織に会えるのは嬉しいし、お金もない状況だったので、「同棲させてもらえる」のは正直とても有難い話だと感じていました。一方で、当時の私にはとても生活費を折半できるような余裕もなく、そこに輪を掛けて「男だしちゃんと稼げるようになってからじゃなきゃ…」という考えが纏わりついていました。
そんな旧来的な男性の在り方に縛られていた私に対して、彼女は「お金のことは気にしなくていいよ」とフラットに伝えてくれ、「とりあえず職が見つかるまでの3ヶ月」という期間を定めて提案してくれたのをきっかけに同棲に踏み切ることが出来たのでした。
今思うと「何を悩んでいるんだ」という感じですが、当時の自分はかなり真剣に稼ぎの少なさを恥のように考えてしまっていたので、本当に要らないジェンダーロールだなと思います。いろんな角度から同棲のハードルを下げてくれた妻にとっても感謝。
彼女への依存?がコンプレックスでソファに寝転べない
一人暮らしさえ殆どしてこなかった身なので、他人と暮らすということに漠然とした不安もありましたが、もともと家事が嫌いではなかったのと、「住まわしてもらう」という気持ちもあってとても張り切っていました。特にご飯を作るのが好きだったので、あまり料理への興味が無い彼女へせっせとご飯を作るのは今でもかなり楽しんで行っています。
ただ、やはり稼ぎが少ないことへのコンプレックスは大きく、同棲を始めてしばらくは「自分はここに居て良いんだろうか」という居所の悪さみたいなものを勝手に感じていたのを覚えています。詩織は何も言っていないのに、彼女の仕事机に座ったりリビングのソファへ寝転んだりすることにとても抵抗を感じていました。
生活習慣の違いがどれほどあるんだろうということに不安はありましたが、一人暮らしの経験が少なかった分、自分の中で譲れない部分というのも余り多くなかったのは救いだったかもしれません。「外着のままベッドに転がらない」「ゴミを出したらゴミ箱には新しいゴミ袋をセットする」などは一緒に住み始めてから会得した習慣ですが、当初から抵抗なくすんなり受け入れられました。
ふたりの習慣は違うから「歩み寄る制度」ですりあわせていった
一方で、そんな二人が特にぶつかった内容で記憶に残っているのは、「床に物を置かない」「出した物は元の場所に戻す」という習慣。
私は元々、ある程度身の回りに物が溢れている方が落ち着くタイプで、頻繁に使うものほど動線に配置したい人間でした。対して詩織は「物にはそれぞれ住所を決めています」というほどの収納家。初めてお家へお邪魔した時には、あまりの綺麗さと物の無さにそれはもう驚きました。
当時、その二つは中々受け入れられずにいましたが、私が出しっぱなしにしていて詩織が気になった物は、彼女側から片付けて良いか確認してくれたり、床に物を置いても良いスペースをリビングに作ってくれたりと歩み寄る制度を取り入れてくれたお陰で、少しずつ新しい習慣を馴染ませていくことが出来ました。
暮らし始めた当初は、お互い探り探りで折り合いの付け所を見つけていましたし、二人で生活していく中では未だに衝突することも多くありますが、「結婚は異文化交流」という考え方を共通認識に、すんなり受け止められないことがあった時には、自分の気持ちを積極的に言語化して価値観を摺り合わせていくことを大切に暮らしています。