結婚前の年上マジックほど儚いものはない。結婚後は?

若い夫婦のデキ婚は離婚率が高いと聞いたことがある。5年以内には何割は離婚しているとか。確かに複合的に理由が重なって、お別れしてしまうパターンは一定数あるのだとは思う。そんな話が出てくるのは、当事者としても分からんでもない(デキ婚の当事者ね)。

しかし私が「離婚率__統計」で検索しようとすると、関連ワードとして1番に出てくるのは「年の差婚」だった(それに続いて「看護婦」「交際期間」「結婚式」、そして「デキ婚」と単語が並んだ)。

実際にはそんな統計を正確に取れっこないので、こんなものは眉唾物なのだが、「離婚率_統計_年の差婚」って、どういうこと?年の差はある方がいいの、それとも無い方がいいの?

私の旦那は6歳年上だ。年の差婚という程には離れていないが、結婚当時、彼は28歳で私は22歳だった。それを思うと彼が周りの人に「えらい年下の奥さんだね」と言われていたのも頷ける。

カップルだった頃、「年上と付き合うって楽しいな~」と思うことは沢山あった。私の知らない遊びやお店を知っていたり、仕事でキラキラ輝いていたり。悩み事の内容すらも、どれもこれもカッコ良く聞こえた。

でも、結婚してからというものの、旦那が年上で良かったなと思うことはない。1度も。そもそも年上ということを日常で感じることが一切ない。強いて言うなら健康診断の悪い数値を見たときや、保険に加入する時位か。年下旦那さんのいる奥さんの話も聞いてみたい。そっちの方が「年下と結婚した」という実感は長く続く気がする。結婚前の年上マジックほど儚いものはない。

世の中には結婚後も「旦那さんが年上でよかった(はぁと)」と思い、想い続ける奥さんも居るのかもしれないが、私は見かけたことがない。年長の旦那さんに対して、「この人と結婚してよかった」と思うことがあっても、それは年上だからと言うことではなく、単純に相手が元々持っている、ジェントルな魅力についてのノロケであることが多い気がする。

年上の男性に一方的に求めているのは、一言で表すと「大人の余裕」

私が年上の男性に一方的に求めていることってなんだろう。一言で言い表すならば「大人の余裕」かな。余裕というのは表面的な事だけではなく、色んなものを含んでいる。教養ある振る舞い、言葉数が少なくても的確な表現をする語彙力、相手を受け止める包容力など(大人の色気とかいうヤツも、おそらく余裕ありき)。

しかし、そんな男性と未熟な私が一緒に暮らしたとして、私が自尊心を保てるかどうかは、激しく疑問である。なんか途中で惨めになったりしそう。「なんかまた上から発言してない!?」「もうっ!いっつもバカにして~!」みたいな……いや、それです、私が求めているものは……(真顔)。これぞ「大人の余裕」。めっちゃ、ええやん…??(多分そんな旦那さんは、スーツがどちゃくそ似合うんですよ……)。まあこの辺は好みが分かれそうな恋話ではあるけれど。

やっぱり私は、年上の男性に(というか旦那に)「大人の余裕」を夢見てしまう。だってせっかく6こも年が離れているんだからさ。旦那よ、演技でいいから、かもし出してくれんかね。

おねだりしてもいいなら、ミッチーみたいな感じで(理想チョモランマ)。ミッチーこと及川光博さんは、自分の王子様キャラのことを「企業努力です」と言う。彼はミッチーという名の透明スーツを、レディ達の前で被ってくれているわけだ(つまりドラマに出演する際は、二重にスーツを着ることになる。匠の技)。

王子様界でブイブイ鳴らしているケンティーだって、今話題のあざといバラエティーで企業秘密を暴露していた。それでも彼はやっぱりあざといままだ。セクシーサンキュー。

6歳の年の差がある、という事実が、私を時折欲張りにさせる

例え中身が少年でも、大人の男性を演じてくれればそれでいいのだ。SNSが普及する今、男女ともに裏側の泥臭い努力をも美しいと認められるようになってきた。むしろそのギャップを楽しむのが令和である。

ということは、だ。24時間営業で、自然体のまま企業努力を続けられる、そんな出来すぎな人間は、男女問わず中々いないってことなんだろうか。それはミッチーやケンティーと結婚した(する)人にしかわからない、ファンタジーフェアリーミステリーワールドである……

結婚生活の中で「大人の余裕」しか見せない超人は、おそらくキラキラのレアカード。世の中に存在することを、少なくとも私が目視で確認したことは、一度もない。……え、もしかして。この世に「大人の余裕」を家庭でも垂れ流す旦那って、実在しないの…?それなら誰がいくらリセマラしたって、一生出会えないってこと??……マジか……。誰だよ、私を踊らせたヤツは。詫び石。

自然体、ありのままのパートナーを愛することができれば、それがいちばんいいのだろうけれど、年上、6歳の年の差がある、という事実が、私を時折欲張りにさせる。そういえば、旦那はカラオケが好きなのだが、付き合っていた頃に「虹」を歌いながら、「いくらちゃん、僕の中には福山雅治が入ってるから」と酔っぱらって言っていた。私はその発言、一生忘れないからな。

今も旦那の中に福山雅治が入っているなら、その脂肪は即座に脱ぎ捨てて頂きたい。でも、それが酔っぱらって口からでたデマカセなら、そこに関しては諦めます(忘れられないけど)。

だけど、再度おねだりさせてもらうなら。家に帰って靴下を脱いでも、社会人として直前まで被っていた「大人の余裕」という名の透明スーツは脱がないで。夜まで企業努力を続けて。願わくば「大人の色気」もたまにはかもし出して欲しい(演技で良いから)。とはいえ私はすぐにメイクを落とすけど、そこはありのままで愛してね。