昨晩旦那とドラマを見終わった11時過ぎ。眠る前にベッドで話していた時、こんな事を言われた。

「最近のいってらっしゃいのハグ、ちゃんとしてる気がする」

私は毎朝5時半に起き、お弁当と朝御飯を作って、6時頃旦那を玄関で見送る。その時にいってらっしゃいのハグをするのは、結婚してから6年間続いている習慣だ。たまには喧嘩をしたり寝坊したりしてサボることもあったけど、旦那が言う「ちゃんと」というのはそういう事ではない。

先日旦那が体調を崩し、仕事のペースを落とした。妊婦の私が彼にしてあげられることはあまりなかったけれど、朝6時のハグが急に重要な儀式の様に思えたのは、確実にその影響だ。しっかりと抱き締めて、気を付けてね、いってらっしゃい、と言う。「元気に帰ってきて欲しい」、その純粋な気持ちが心の中で芽生えた瞬間を、私は確かに感じた。そしてその日からは毎朝「ちゃんと」ハグする様になった。

ラジオから流れてきたaikoの「ストロー」が気付かせてくれたこと

話は変わって、私は子どもの頃からラジオが好きだ。学生の頃は聞かない時期もあったのだが、主婦になってからはまた、お気に入りのDJの好きな番組をかけながら、お昼の家事や晩御飯の支度をするようになった。

去年の秋頃だったか、aikoの「ストロー」という曲がラジオから流れてきた。aikoの曲は小学生の頃から好きで、カラオケでもよく歌ってきた。しかし新曲はここ数年追えていなかった。私は久々に聞いたaikoの歌声に、そしてこの曲の歌詞に、胸を貫かれた。

「ストロー」は、歌詞の中で何回も『君にいいことがあるように』と繰り返す。PVには一緒に暮らす男女の、素朴な日常風景が描かれている。私はこの曲に自分の生活を投影した。居ても立ってもいられなくなり、番組にメッセージを送った。

今自分には2人の息子がいること、息子達には毎晩ベッドで「明日は楽しいことがいっぱいあるよ」と言って、幸せな気持ちで眠りにつけるようにしていること。結婚生活が長くなってきて、最近旦那には同じように気持ちを伝えられていないこと、「ストロー」の歌詞にその事を気付かされ、旦那も「ちゃんと」大切にしたいと思ったこと。

そのメッセージは幸せなことにaikoのゲスト回に読まれた(DJ面白おじさんありがとう)。aikoにとっても「ストロー」は長年活動を続けてきた中でターニングポイントとなった1曲だそうで、そんな話が聞けたことも嬉しかった。また、私の息子達の名前を文字ったラジオネームは、偶然そのタイミングでラジオを聞いていた3人の同級生にも気付いてもらえ、私の喜びをみんなも喜んでくれた。

毎日繰り返す、「ちゃんと」したハグと「ちゃんと」幸せを願うこと

私はその後もテレビやラジオからaikoの「ストロー」が流れてくる度に、初めて聞いたあの日感じた、あの瞬間の気持ちが甦る。そして、今夜も旦那の隣で、彼の幸せを願って眠れるのだという、当たり前の事を思い、その幸せを噛み締める。

夫婦の間で毎日波の様に繰り返される、いってらっしゃいと、おやすみなさい。家族になってから初めて感じる様になった痛みもあるけれど、それでも私たちには必ず明日がやってくるから。

私は朝「ちゃんと」ハグをして、夜は「ちゃんと」幸せを願う。息子達にも、旦那にも。それが、大切な家族をまるっと愛する、私個人が理想とする母親と妻の姿である。そんな私がこれから先ずっとずっと、我が家の中で在り続けますように。