「お料理の勉強をしてみたいです」10年勤めた仕事を辞めた

最終週出社日は春から夏に変わりそうな日。
「お料理の勉強をしてみたいです」
最後のメールを残して、私は10年勤めた仕事を辞めた。
30歳目前、かなりの人が人生このままでいいのかと考えるタイミング。何度も悩みながら私はやりたい事をやるために違う道を進む決意をした。

食べるのが大好きな私は働きながら料理教室に通っていた。はじめは花嫁修行にもなる、美味しいものが食べれる、と言った能天気な理由だった。
しかし、年齢を重ねる度に嫌でも食べたものが体に及ぼす影響を体感するようになる。お野菜たっぷりヘルシーご飯の次の日は寝起きスッキリ、体が軽く動きやすい。気分晴れ晴れなんでもできそうなくらいの元気。
対照的に、脂たっぷり豚肉を油たっぷりで揚げるトンカツをたくさん食べた日は、胃もたれがして翌日も胃が重い。思い出すトンカツの香り、ニキビ肌と胃もたれと共に出社していた。

25歳を超えたあたりからふっと、「料理をせっかくするなら美味しいだけでなくて体の内側から健康になる料理を作りたい」と強く思うようになった。女性として内側から綺麗になりたい、家族や彼を健康にしたいという考えを見つけたのかもしれない。
その思いから会社を辞め、チャレンジしてみたかった食生活アドバイザーや薬膳コーディネーターの勉強を始めた。会社を辞めたので時間はできたが、勉強内容が思っていたより広い、難しい、漢字が多い。モチベーションを保つのが大変な時はたくさんあった。以前の私なら挫折してしまっていただろう。

彼が胃カメラの検査へ。胃袋つかみすぎてが原因じゃないよね?

しかし今、料理上手になりたいのは、私だけでなく、家族や彼が健康になってほしいからだ。
両親は健康診断の結果が思わしくなかったり、健康に敏感になるお年頃。肩が凝る、手足が冷たい、痩せない、などなど聞きすぎたワード達が家の中で溢れている。11歳年上の彼も喘息やアトピーに悩まされている。

昨日は「胃の調子が最近ずっと悪く、胃カメラ検査をすることになった」というラインが届いた。
「えっ、大丈夫なの?」急なラインに戸惑う私に、「違和感がなんとなくあるようなないようなでなんか不安もあり」というなんともやっとしたラインで返してくれた彼。
食べるの大好き、一人暮らしで基本外食の彼。いつも私の作るご飯を美味しい美味しいと食べてくれる彼。胃袋つかみすぎが原因じゃないよね?

胃が悪くなってしまっては彼の楽しみが減る一大事だ。切実に美味しくて健康になる料理を作らねば、彼を健康にしなければならない。

私の大切な人を健康にしたい。その思いで今年はたくさん知識を増やした。私の中でやりたかったことを頑張った一年だった。資格もとれた。
でも、ちょっと待って、知識ばかりで実践できていない。私なりに充実した1年だったがまだ目標は達成していない。せっかく仕事も辞めたのだ、今年学んだ知識を活用して健康な料理を作りたい。
家族や彼を健康にせねば。健康的なお料理で彼の胃袋を治してからまたつかみたい。そのために日々お料理に励もう。というよりもやらねばならない2021年。
私の大切な人が元気に毎日を過ごせます様に、今日もわたしはお料理の事を考えている。