リクルートスーツってダサい。
正確には、リクルートスーツを着なければならないような画一的な日本の“シューカツ“がダサい。
わたしは自分がときめくものしか着たくないし、自分がやりたくないことは一秒だってやってられない。
わがまま? 頑固? それで結構。
だってわたしの人生だ。わたしが心地よくないものは極力遠ざけて当然だ。
自分を活かせる仕事は「シューカツ」では探せなかった
「〇〇さんは発言の質はいいけど、発言回数が少ないから評価しづらい」
わたしにもほんの一瞬普通の“シューカツ”をしようと思った時期があった。
ゴリゴリのベンチャー企業の採用直結型インターンでのグループディスカッション。
メンターに言われたその一言が、わたしに普通の“シューカツ”を諦めさせた。
「わたしはこのフィールドでは勝てない」
そう悟ったわたしは早々に“シューカツ”優等生を辞めた。
グループディスカッションで発言回数が多い人間が採用したければそれで結構、船頭多くしてなんとやらにならなければいいけれど。
ではどのフィールドだったらわたしは勝てるのか。どうしたらわたしの納得する企業に出会えるのか。
とりあえずわたしはリクルートスーツは買わず、マイナビ・リクナビにも登録せず、ひたすら旅をしたりイベントに参加したりして人脈を広げた。
そこで面白い人に出会い懐に入り込み、さらに面白い人に繋げてもらった。
ピンときた縁は手繰り寄せた。顔の広そうな人には定期的に会いに行ったり手紙を出したりした。
そうこうしているうちに、段々と自分の心地いい人間関係や物事との距離感が掴めてきた。
わたしはある程度自由がきく方が力が発揮できること、瞬発力のコミュニケーションよりも長期的な関係を築くためのコミュニケーションが得意なこと、これらが活かせる就活は多分普通に探してもない。
だったら自分で機会をつくろうじゃないか。
手を伸ばして得られる情報を、シンプルに集めてみた
もともと働く場所にはこだわりはなかった。
両親姉含め親戚中が日系大手・医療系・公務員と手堅い職に就いていたが、わたしにそこのこだわりはなかった。
わたしが面白く働けること、地域に根ざした活動ができること、裁量がある程度与えられること、働く仲間が尊敬できる人たちであること。
これを満たす会社であれば、規模も条件も場所もあまり気にしない。
寧ろこれからの時代は足場がどうであろうと自力で生きれる力がないときっと生き残れない。
今の時代は情報が溢れかえり、きっと欲張って探せば色々な選択肢が開けるのかもしれない。だがわたしはそこを捨てた。
もっとシンプルに、情報を「わたしが手を伸ばして知れる範囲」に限定して就活をしようと決めたのだ。
繋いだ人脈の中で就活をする、彼らに面白い経営者を紹介してもらおう。
わたしの信頼する友人が面白いと言うのなら、きっと面白い会社に違いない。
そうやって手探りで始めた就活だった。
わたしの居場所はわたしが決める。心に嘘はつかない。
そんなわたしの就活の方法は、面白い経営者を友人に繋げてもらって、社長に直談判で
「わたしのために2週間の採用インターンをしてください」と申し込む、という荒技だった。
2週間も一緒に働けば、わたしも会社のことを理解できるし会社もわたしのことを理解してくれるだろう。わたしはその2週間で負ける気がしなかった。この方法だったらきっとわたしの力を発揮できる、そう思って「経営者に直談判で2週間の採用インターンを申し込む」という就活の手法をとった。
従来のフィールドで勝てないのなら、勝てるフィールドを創ればいい。
大学4年の夏休み、わたしはそうして3社を2週間ずつ旅して回った。
3社のうち1社、唯一自分が新卒でそこで働いているイメージができる会社があった。
岐阜県の地域活性化のNPO団体。関東生まれ関東育ちのわたしには縁のない地域だ。
新卒でNPO。新卒で地方移住。面白い、やってやろうじゃないか。
そうしてわたしはそこの門を叩いた。
人と違う道は茨の道かもしれない。
けれど、人に変わっていると言われようと、王道を外れようと、わたしの心に嘘をついて生きたくはない。
わたしの歩く道はわたしが決める。わたしの居場所はわたしが決める。
わたしはわたしの「喜び」も「幸福」も知っている、だからこれからもわたしの「幸福」を選んで生きていく。