ドラマみたいだなと思った。
「うちはだーれも結婚せんけど、大丈夫なんかねぇ」と親にぼやかれる主人公。
それは私に向かって言われている言葉だけど、なんだかちょっと笑ってしまった。
結婚だなんて。
正直、29歳の今でもピンとこない言葉だ。
なんとなく、ピンとこなくて…いつもそこから何も考えなくなる。
でも子宮にはタイムリミットがあるよなぁ…なんて考えて焦りもあるのだけど、
結局考えなくなってしまう。そうやって29歳になっていた。
この解決しなきゃいけないことがあるのに考えなくなってしまう感覚におぼえがある。
計算だ。
私は算数が苦手で、計算となると完全にやる気を失くして思考停止してしまう。
おもしろいくらいに、思考を放棄してしまう。
あの感覚にとても似ている気がする。
仕事が生きがいだった私は、ずっと誰かにそばにいて欲しいと感じなかった
「結婚」に対して、思考を放棄しちゃってるのか私は。
…思考放棄しちゃだめな問題じゃないか?
計算は出来なくたって、色んな便利ツールが助けてくれる。
でも自分の結婚のことは、自分しか助けてくれない。
だから、まずは思考放棄をやめることからはじめようと思う。
ピンとこなくても、とにかく考えてみようと思う。
ピンとこないっていうのは多分、私のそばに誰かがいるという人生が想像できないからだ。社会人になってから恋愛をしてこなかった。若い時の私よ、何故もっと恋愛をしないの?と聞いたって無駄だと思うな。だって仕事が生きがいだったから。はやく成長したい、それが何よりの望みだった。誰かそばにいてほしいなんて感じたことがなかった。
そうして今、29歳。いまだに誰かがそばにいる人生は想像がつかないけど、誰かがそばにいたら楽しいだろうなと想像するようになった。
そう思うようになったのは、仕事が生きがいだったあの頃より自分の時間を大切にするようになったからだ。
自分の時間をとるようになると、これまで見えてなかった自分のことがちょっとずつ分かってくる。ひとりが好きだと思っていたけど、実はそうではなくて、ひとりの時間も必要なタイプなだけだった。気の合う仲間と穏やかに過ごすのが好きだ。気持ちをシェアしたい時もあるし、ひとりは寂しいと感じることもあった。
結論は急がず自分のペースで、人と出会うことを諦めず生きていきたい
だからといって、じゃあ早く結婚しないと!って結論を急ぎたくない。
「どんな人がタイプなの?」の前に、私は未だ自分のことだってよく分かっていない。
ひとりが好きだと思ってたけど、ひとりで居て寂しいって思うんだ!っていうことが、私にとっては大発見だった。ようやく自分のことを知り始めているんだから、焦らず粘って自分のことを知り続けてほしい。
ピンとこなくて、思考停止したままだったら。
誰かと出会うことすら諦めていたかもしれない。ひとりが好きだから、自分は結婚せず生きていくんだと、覚悟を決める準備を進めていたかもしれない。
「結婚」って正直ピンとこないし、誰かが側にいる人生って想像つかないけど、それでも私は自分のペースで、人と出会うことを諦めないで生きていきたいと思う。