2021年、26歳になる。26歳というとなんとも絶妙な年頃で、だんだんと同世代たちに、転職、結婚、出産といった分かりやすいライフステージの変化が現れてくる時期だ。仕事においても、今までは新人として大目に見てもらえていた失敗が許されず、あらゆることが「できて当たり前」という目線で見られ始め、漠然とした悩みや不安が増えてくる時期でもある。

オンライン商談の録画で自分を見返してみた

 社会人3年目が終わろうとしている今、自分の仕事に100%と満足しているか?と聞かれたら、残念ながら答えはNoだ。私の仕事はメディアの広告営業で、2020年を機に一気にオンライン営業が主流になった。ZoomやGoogle meet上で、はじめましてのお客さんに営業するのはなかなか難しく、今までの対面営業のやり方では通用しないことの方が多い。
 オンラインだと画面と音声が情報のすべてなので、まずは自分の言葉が相手にどう聞こえているのかを確かめるべく、営業中の音声を録音して聴くことにした。今までも自分の話し方を録音して聴いたことがあるが、良い気持ちになったことは一度もない。声が変、自信なさそう、商品の魅力を伝えきれていないなどと欠点が浮き彫りになるのは目に見えている。しかし、課題を見つけるためには現実と向き合うしかない。
 久しぶりに録音を聴いてみた時、あることに気が付いた。

私、すみません、って言い過ぎじゃん

 「すみません、営業の〇〇です、よろしくお願いいたします」「画面を共有させていただきます、すみません」「すみません、この後メールで添付しますね」「すみません、ありがとうございます」(以下、略)
 どうしてこんなに謝ってばかりなんだろう?悪いことをしている訳ではないのに。第一、「すみません、ありがとうございます」って何だ。矛盾してるし。こんなに謝ってばかりいると、おのずと表情も自信なさげになり、お客さんに不安感を与えてしまう。言葉で人を説得する営業という仕事を3年もしておきながら、発する言葉をないがしろにしていたことにようやく気づき、とても恥ずかしく思った。
 話し方以前にまずは、自分が発する言葉に意識を向けよう。無駄に謝るのは今すぐやめよう。なるべく前向きな言葉を発するように意識していけば、見える世界も少しずつ変わってくるのではないだろうか?見える世界が変わっていけば、新たな価値観を受け入れられるようになり、視野が広がっていくのではないだろうか?

不必要な「すみません」はもう言わない

 日本人は謝ってばかりだと、外国人の友達に言われたことがある。両手を合わせた謝罪のポーズをしながら「日本人はよくこうするよね」と失笑ぎみに言われた時は、何とも言えない屈辱的な気持ちになった。
 「すみません」って確かに便利な言葉だから、気を付けないと何度も言ってしまう。怖くて数えていないけれど、1日の中でもけっこうな回数を繰り返している気がする。でもこの言葉は私を幸せにはしてくれない。本当に謝る必要がある時だけ言えば十分だ。
 「未来は自分が話した言葉でつくられる」とどこかで読んだことがある。言霊みたいなものを強く信じている訳ではないが、自分が語った言葉で自分の思考は形成され、それに基づいて自然と行動も変わっていくのは納得できる。不必要な「すみません」はもう言わない。私をエンパワーさせてくれる前向きな言葉を意識的に使うことで、どれだけ思考や環境を変えられるだろうか?2021年の個人的実験は、まだ始まったばかりだ。