小学生の時から「ずっと一緒にいたい人」を好きになってきた

 「結婚を考えると、その人とは出来ないって思ったから別れた」って言うと、「そんな急ぐもんじゃないよ」と諭されたことがある。その時の私には理解できなかった。私が好きになる人は勝手に結婚まで考えて好きになる事が多い。小学生の時から「ずっと一緒にいたい人」を好きになる。ずっとというのは死ぬまで。こう言うと重い女と思われるかもしれないけど、つまり私は結婚を見据えて好きになる。なぜだろう。

 物心ついた時から家族が嫌いだった。両親は仲が悪く、喧嘩もしないほど冷え切った関係。父は家にいる事が少なく、母はいつもイライラしていた。私は家では話をあまりせず、静かな子だった。もちろん、悩みがあっても家族には相談しなかった。その為、必然と他者を頼ろうとした。友達に「人の懐に入るのが得意だよね。すぐにいろんな人と仲良くなれるよね」と言われたことがあるが、私はそうでもしないと生きていけなかった。だから、深い仲になるのが得意になった。そして、他人に依存してきた。

復縁しても心のどこかで、この人とは結婚できないと思っていた

 様々な人と付き合い、依存だけでは幸せになれないと気づいた。大学時代に出会った彼は笑顔が素敵だった。いつもニコニコしていて、ずっと一緒にいたいと思い、付き合う事が出来た。でも、結婚を考えると、重くなるから、なるべく考えないようにしていた。そんな彼とは毎日一緒にいた。課題をやったり、料理したり、お出かけしたり。お金はなかったけど、一緒にいる時間が大切な宝物になった。しかし、最大の欠点があった。それは、彼とは「喧嘩ができない」という事だ。

 ある日、私にとって大きな事件が起きた。それが原因で彼と初めて喧嘩をした。それまで喧嘩した事がない私たちは乗り越えられず、別れた。それから、仲直りし、復縁したものの結局彼にふられた。別れを切り出す際、私はもううまく関係を築けないとあきらめてしまっていた。復縁してからも心のどこかで、私はこの人とは結婚できないと思っていた。彼ももう関係を続けられないと判断したのだろう。

 結婚を考えるには早いとも思ったが、喧嘩もできず、お互い上手に関係を構築できるような大人ではまだなかった。成長する必要があったのかもしれない。私達は出会うのがまだ早かった。

結婚は通過点に過ぎない。彼と自分の「居場所」を作りたい

 「結婚すると、相手の事を好きや嫌いを通り越した感情を抱く。家庭を持つという事はお互いに居心地の良い空間を築き上げる事」と先日アルバイト先の店長から聞いた。私は自分の居場所を作るという事だと思った。「今の空間がちょうどよいから、もう実家には戻る事が出来ない」とも店長が言っていた。

 現在、私の事を心から愛してくれる男性と出会った。彼の前だと素直になれるし、笑いも絶えない。喧嘩する事もあるけど、ちゃんと話し合い、落としどころを一緒に見つけてくれる。この人となら幸せな家庭を築けるかもしれない。未来は見えないけど、私達らしい大切な場所を築き上げていけると思った。そんな彼からプロポーズをされたとき、「一緒に仲の良いおじいちゃん、おばあちゃんになろうね」と言ってくれた。結婚は通過点に過ぎない。

 私は彼と人生を共にしよう。そして、小さい頃から願っていた幸せな家庭を創りたい。