「アメリカかイギリスか行ってきたら?」
そんな父の一言がきっかけで、21歳の夏、私は単身LAへ飛び立った。

初めての海外一人旅。渡米経験のある友人から情報を集めた

期間は2週間。初めての海外1人旅。宿はゲストハウスで、荷物はバックパックと小さなキャリーバッグ。
ビザの取り方も、パスポートの取り方も、クレジットカードが必要なことも、何から何まで初めてで、既に渡米経験のある友人に片っ端から質問し、情報を集めた。

お金のサポート以外は全て自分でやった。宿の予約に飛行機の予約。国内の一人旅は今までもしたことがあるけれど、空港に着いて宿までたどり着けるのか?とか、本当にネットや旅行情報誌の情報は正しいのか?とか、そもそも英語そんなに喋れないんだけど……とか根本的な不安は数多くあったのだが、当時、日常に行き詰まりを感じていた私は、「どうにでもなれ!」という半ば捨て身の覚悟で渡米したのであった。

焦った。2枚目のクレジットカードは、出発日までに届かず

なんとかLAの空港に到着し、ドキドキしながらUberに乗って、なんとか最初のゲストハウスに到着した。
ホッとしたのも束の間、持参していたたった1枚のクレジットカードが、なんと、使えなかったのだ!
現金は宿代のみしか持っていなかったため、めちゃくちゃ焦った。
一般的には、海外に旅行に行く際は、クレジットカードを2、3枚持っていくことが常識であるが、私は初めての海外一人旅で、知識もあまりなかったため、出発ギリギリになってそのことを知り、2枚目のクレジットカードが出発日までに届かなかったのである。

そんなわけで、宿から出られなくなった私は、これから約10日間をどのように生き延びるかを真剣に考えた。手持ちのお金は3万円。Wi-Fi環境はある。食料は持って行っていたカップラーメン3つ、大好きなじゃがりこ他、家から持参したお菓子、インスタントコーヒー。徒歩20分のところにスーパーがある。バスもある。

若い日本人女性が1人で道を歩く状況が、まずイレギュラーで

日本人感覚だと一見簡単そうに思えるこのミッションだが、LAではそうはいかない。
まず、若い日本人(アジア人)女性が1人で道を歩いているという状況がイレギュラーなのだ。私が最初に泊まったゲストハウスはコリアタウンにあったのだけれど、多くの人が自家用車あるいはUberで移動していて、歩道には明らかに薬物でおかしくなった人がウロウロしていたり、こういう偏見はよくないけれど、公共のバスには浮浪者のような人が乗っていたりした。
“日本でのあたりまえ=他の国でのあたりまえ”ではないのだと、身をもって感じた。

「LA一人旅してきたのよ!」というと、きらびやかな「まぁお高く止まっちゃって!」という印象が強いかもしれないが、そうでもないLA一人旅があることを私は身をもって知っている(正直死ぬかと思った)。