決まりきったドラマを見る。私はただの傍観者でありたいと思っていた

私は今年、サバイバルオーディション番組に初めてハマった。
このオーディション番組では、参加者たちがさまざまなミッションに挑戦し、最後には視聴者投票によってデビューするメンバーが決まる。事前審査によって選ばれた六十人が、デビューの十一人に残るべく、しのぎを削って歌や踊りのスキルを高めていく。
昨年話題になったオーディション番組を見ていた私は、このオーディション番組の視聴者投票というシステムに、強く興味をもった。

オーディション番組は基本、著名な審査員が椅子に座り、その前で参加者たちが歌や踊りを披露するものである。つまり、デビューか脱落の選択権は視聴者にはない。だからこそ、選択権が視聴者に委ねられたとき、どういう結末になるのか疑問だったのだ。

それゆえに、決まりきった結末のドラマを見るように、私はただの傍観者で、視聴者投票はすまいと誓っていた。自分程度の人間の投票で、誰かの人生を狂わせることはしたくなかった。

何がなんでも応援したい。そんな衝動で毎日投票を行うように

しかし、番組が進むにつれて、そんなことはすべてどうでもよくなった。一日一回できる投票を、毎日欠かさず行った。自分の変貌ぶりに嫌気がさしたが、それも次第に忘れた。

私と同じ年代の子が、自分の夢を叶えるために寝る間を惜しんで努力し、参加者同士で励まし合っている。その光景に、私は今までになく心を動かされた。私と参加者たちは、何の接点もない人生を送っていたはずなのに、気づいたときから、参加者たちの夢が私の夢になっていた。

何がなんでも応援したいという衝動に突き動かされたのは、これが初めてだった。
傍観者ではいられなかった。私の投票で、画面の向こう側にいる誰かの力になれるのなら。
そんな決意と共に、私は毎日投票した。私が一番応援していた参加者は、歌も踊りも目立つほうではない。だが、ファンを裏切らないその姿勢と、ステージ上でのアイドルらしさは、どの参加者よりも群を抜いていた。

参加者たちがステージに立ち、歌い踊るたびに私は緊張した。まるで自分がステージに立ったかのように、私の体は汗で濡れていた。

特に、デビューメンバーが決まる番組の最終回は地上波での放送で、放送開始前から脇汗が止まらず、脇が濡れたまま参加者たちのファイナルステージを見た。あのときの脇の冷たさは一生忘れない。

私の力では何も変えられないと分かっていても、物足りなさを感じる

結果、私が一番応援していた参加者は、デビューすることができなかった。当初は、現実を受け入れるのに苦労した。人生で一番苦労したかもしれない。審査員がデビューの選択権を握るオーディション番組なら、選考理由が語られる。だが、視聴者投票であるこのオーディション番組は、誰も理由など説明してはくれなかった。

私の夢は、十一人ぶん叶って、脱落した四十九人ぶん叶わなかった。デビューできた十一人に祝福の声を上げる一方、一番応援していた参加者に心から謝りたかった。私の力では、私の投票では、あなたの夢を叶えられなかった。

オーディション番組が終わってから、二か月が経つ。デビューできた十一人は、年内にCDデビューすることが決まっている。デビューできなかった四十九人は、それぞれの次の人生を歩み始めた。

あのときに戻りたいとは思わない。戻ったとしても、私の力では、何も変えられないとわかっているから。でも、心の中はどこか物足りない。
だから、私は私の夢を見つけることにした。そしていつか、一番応援していた参加者に、「ありがとう」と「ごめんなさい」を言いたい。
あの日々は青春だったのだと、最近になってようやく気づいた。