「お散歩行きたいな!」
2歳の長女がお外を見て言うので、次女をベビーカーに乗せて広めのコンビニまでお散歩に行った。
「風があるから気持ちいいね」
お気に入りのキッズサングラスをかけた長女はルンルンで、夏の暑さに負けないキラキラな笑顔で私に語り掛けてきた。

ベビーカーで子供たちとコンビニへ。カップを落とした私は何度も謝った

10分ほど歩いてコンビニに着いた。
長女が小さなカゴを持ちおやつを選ぶ。
いつもベビーカーで行くコンビニなので、この日もベビーカーで来たが日曜日。いつもよりお客さんがいた。

私たち邪魔だよな……。
そう思いながら急いで昼食を選び、レジ近くにある冷凍庫からコーヒーのカップを取り出した。

次の瞬間、ガシャン!と手からカップが滑り落ちた。
氷が床に散らばる。私は急いでカップに氷を入れた。長女も拾うのを手伝ってくれた。

片付けていると店長さんが事務所から出てきてくれて、
「大丈夫ですか?お怪我ないですか?」
その一言に私は泣きそうになった。
「私が片付けしますので、そのままで結構ですよ」
とホウキとチリトリで片付けてくれた。

私は謝ることしか出来ず、
「申し訳ありません。ごめんなさい。すみませんでした」
何度も謝った。
レジに行き、カゴに入った商品とコーヒーは落とした分含めて2杯分を頼んだが、店長さんが「代金いりませんよ!お気になさらずに」と言ってくれてまた謝った。

専業主婦になり減った社会との関わり。コロナでまた世界が狭くなった

周りの雰囲気や視線、言葉や表情が忘れられずにいる。
ベビーカーで来なければ、外出しなければと、帰り道でずっと考えていた。

長女が「ママ、抱っこして!」というのでベビーカーを押しながら抱っこすると、
「ママ、大丈夫よ。ママ、愛してるよ!」
って抱きしめながら言ってくれた。

私の心にトドメが刺された。
嬉しい半面で気を使わせてしまったことが申し訳なかった。

私は長女を妊娠して直ぐに専業主婦になった。
元々、メンタルは弱いが更に弱くなった。
専業主婦になる事で社会との関わりが減り、またコロナ禍で外出や他人との会話が減った為に、より狭い世界で生活をしている。
きっと私だけでなく専業主婦にはそういう方が多いと思っている。

私は免許がなく、公共交通機関も都会のように沢山ある訳ではないため、基本的にベビーカーと抱っこ紐を利用して徒歩で出かけている。
これからはベビーカーでコンビニへ行くのは辞めようと思った。子供たちは悪くないものの、私のせいで悲しい思いをしてしまうからだ。

「ママ、愛してるよ」夫の一言に涙。夫の存在が私の全てである

2歳の子供に気を使わせる母親。母親失格だなと帰宅してから考えてしまった。
仕事の夫にメールで全てを伝えると、
「大丈夫だよ!気にする必要ないよ!ママ、愛してるよ」
この一言で私の目から涙が溢れた。
私には身近に話せる人がいないため、夫の存在が全てである。

私には私を認めて愛してくれている人がいる。
ママは笑顔でいなくちゃね。

お昼寝をする我が子の寝顔を見て、起きたら抱きしめて私も愛を伝えようと思った。
こういうことがある度に、子供の成長を感じると共に私の不甲斐なさを感じる。
「大丈夫よ」
「愛してるよ」
そんな優しい言葉をかける事が出来るようになった長女は、きっとステキな女性になるだろう。